クルスカル座標入門(3)


①②の表現と③との関係は前記事で分かりましたが、どちらを主力に勉強したらよいのか?迷うところです。ペンローズ図に繋がるのは③なんですが、まずは①②の表現を確認していくことにします。つまり、



ただ、このとおりの表現だと


という範囲を示しています。ところで \(\cosh ^{2}\alpha -\sinh ^{2}\alpha = 1\) という関係から


つまり、\(r\)=一定 なら \(u,v\) は双曲線を描くことになります。また \(\tanh \alpha=\sinh \alpha/\cosh \alpha \) から


つまり、\(v/u\)=一定 の直線は同時刻線を示すことになります。
さて、



から、



したがって、


最後の [ ] の中は \(ds^{2}\) の角度部分を除いたものと同じものになります。つまり、


さて、


では、\(r=a\) において \(g_{00}=0 ,g_{11}=\infty\) という異常な状態になりますが、(A) 式ではそういうことになりません。


\(r \to a\) で上式左辺 \(\to 0\) となるため、シュバルツシルド半径では


ということで、(A)式で表される線素では特になにも起きません。
クルスカル座標01.jpg

中心に向かう光線、中心から遠ざかる光線の航跡は \(d\theta = d\phi = 0\) として、\(ds=0\) なので、


となって、ミンコフスキー空間と同じように、図中では45°の直線で表されます。A点から出発する2本の破線はその例にあたります。
右上に向かうもの:\(t=0\) に \(r>a\) の一点を出て外に向かう光    
左上に向かうもの:\(t=0\) に \(r>a\) の一点を出て中心に向かう光   

ミンコフスキー空間において、通常の物体の運動の世界線は光円錐の内部ですが、クルスカル座標でも光の軌跡が45°の直線で表されるので、図中の(破線に挟まれた)実線が通常の物体の運動の世界線になるでしょう。例えば、左上に向かう実線は中心に落下するもので、光と同様にシュバルツシルド半径に至るまでは、無限の時間がかかることになります。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント