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zoom RSS 現代宇宙論の歴史(3)

<<   作成日時 : 2018/09/25 00:01   >>

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今回は主に「素粒子論的宇宙論」についてまとめます。

3.素粒子論的宇宙論

3.1 ビッグバン宇宙モデルで解決できない5つの問題

 第1:宇宙はなぜ火の玉として始まったのか?
  観測されている宇宙の元素を説明するために、火の玉で始まる必要がある
  しかし、なぜ火の玉としてうまれたのか?

 第2:地平線問題
   地平線:宇宙時刻ゼロにある場所を出発した光が、時刻 t までに直進し到達できる距離(粒子的地平線)
   → その時刻において因果関係を持つことのできる最大距離
   宇宙マイクロ波背景放射は10万分の1の精度で一様
   宇宙背景放射は、宇宙時刻30万年頃、3000K 頃の宇宙を表している
   これより初期の宇宙は電離、光は電離ガス中の自由電子との散乱により物質と結合している
   しかし、この時刻の物質は中性化し、宇宙は透明となり光は直進するようになる → 宇宙の晴れ上がり
   現在観測している宇宙背景放射は、この時刻の 3000K の放射が赤方偏移したもの
   宇宙背景放射はこの時刻の地平線を遥かにに超えて一様
   一度も因果関係を持ったこともない宇宙の領域がほとんど同じ状態にある → 矛盾

 第3:平坦性問題
   ビッグバン宇宙モデルの基礎一般相対論では、
   宇宙の曲率が微小に正 → ますます正に曲がる
   宇宙の曲率が微小に負 → ますます負に曲がる   
   現在の宇宙の曲率はほぼゼロに観測
   → そのためには宇宙の初期に曲率が0に極めて近くなるように調整が必要
   → 不自然   

 第4:宇宙の大構造の起源
   現在の宇宙は、グレートウォールや、超銀河団などの大きな構造が存在
   このような構造が出来るような極めて大きな密度ゆらぎを作ることは、標準ビッグバン理論では無理
   大構造の種になるような凹凸を作るための物質エネルギーを地平線を超えて運ぶ必要がある
   → 地平線問題と表裏一体
   (地平線問題:地平線を超えて一様にならす)
   (大構造問題:地平線を超えて微小な凹凸を作る)

 第5:宇宙における物質と反物質の非対称問題
   物理法則は物質と反物質に対して対称
   しかし、現実の宇宙はなぜ物質宇宙なのか?

3.2 大統一理論とインフレーション

 1980年頃:力の統一論に基づいた初期宇宙の研究が進む
 ・大統一理論(強い力、弱い力、電磁力を統一)に基づく物質と反物質の非対称性の起源の研究
  → バリオン数生成問題
  宇宙初期に(正バリオン数を持つ)物質粒子と(負バリオン数を持つ)反物質粒子が対称に生成されるならば
  バリオン数はゼロのはず→ いかにバリオン数を正にするか、バリオン数を生成するか
  → 大統一理論はこれが可能と思われた(ただし、CPT対称性の破れ、反応が非平衡であることが条件)

  大統一理論:ゲージ場の対称性の自発的破れ → 3つの力を統一

画像



 温度 1016 GeV 以上 : 完全に対称性が回復
      ↓
 温度 1016 GeV 以下 : 真空の相転移(1次) → ゲージ場の対称性破れ
      ↓                  強い力と電弱力が分かれる
 温度 102 GeV 以下  : 真空の相転移(2次) → ゲージ場の対称性破れ
                         電弱力が電磁力と弱い力が分かれる

 真空の相転移:ヒッグス場の相転移
 大統一理論:相転移前の宇宙は巨大な真空のエネルギーを持っていることを示唆

 1980年頃:佐藤勝彦とアラン・グース(A.H. Guth)→インフレーション宇宙モデル
 「相転移は1次相転移なら、真空のエネルギーが及ぼす斥力によって宇宙は指数関数的に膨張すること」を示唆 → 宇宙は急激は断熱膨張のために冷却されるが、1次相転移の終了で解放される潜熱によって、宇宙は相転移前の温度に近くなるまで加熱される
 → 初期宇宙の標準理論

 現在は色々なインフレーションモデルが提案され、これを起こす場はヒッグス場とは限らず、総称して「インフレトン」と呼ばれる

 佐藤らやリンデ(A.D Linde):インフレーション注の揺らぎ→"子供"宇宙→"孫"宇宙→ …

 1983年:ビレンキン(A. Villenkin) 「宇宙は"無"から創生された」
  "無"とは物質が無いという意味ではなく、時空も存在しない状態
 この"無"の状態から、真空のエネルギーが高い状態にあるミニ時空がトンネル効果によって創生
 量子宇宙はゼロ状態からトンネルをくぐって出るまは”虚数の時間”で膨張
 トンネルを出たところから実時間となり、インフレーション宇宙へ繋がる

 ハートル(J. Hartle)とホーキング(S. Hawking)
 ビレンキン説の直後、ウィーラ=ドウット方程式(宇宙のシュレディンガー方程式)を基礎にし、「宇宙の無境界仮説」を提唱
 フリードマンモデルは特異点(境界)から始まる
 →特異点無し(無境界)で始まるべき→虚時間で始まるので特異点がない

画像

(この図では現在が137億年になっていますが、今は138億年に更新されています。)

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