「日経サイエンス」2013年7月号の「Qビズム_量子力学の新解釈」について

今回は、「日経サイエンス」2013年7月号特集:量子の地平線「H. C. フォン・ベイヤー(ウィリアム・アンド・メアリー大学)Qビズム 量子力学の新解釈」について考えます。

「Qビズム」という呼び名は、あのピカソらの「キュービズム」をもじったものでしょうが、"QBism ; Quantum Bayesianism" (量子ベイズ主義)ということを意味するようです。

ベイズ確率というのは苦手な分野ですね。どうも頻度主義の統計学の勉強ばかりしていたので、誤解かも知れませんが、選択する意志の有無によって発生確率が変わるというのはどうにも違和感があります。

それはさておき、話を進めることにしましょう。
まず、KEY CONCEPTS というコラムがあるのですが、これを引用します。

[波動関数は"心の状態"なのか?]===========================================
■量子力学は非常に成功した理論であるが、奇妙なパラドックスに満ちている。量子ベイズ主義(Qビズム)という最近発展したモデルは、量子論と確率論を結びつけることで、そうしたパラドックスを解消、あるいはより小さな問題にしようとする。
■Qビズムは量子的パラドックスの核心をなす「波動関数」を新たな概念でとらえ直す。一般に波動関数は粒子がある性質(例えばある特定の場所に存在すること)を示す確率を計算するために用いられるが、波動関数を実在とみなすとパラドックスが生じてくる。
■Qビズムによれば、波動関数は、対象の量子系がある特定の性質を示すはずだとの個人的な「信念の度合い」を観測者が割り当てるために用いる数学的な道具にすぎない。この考え方では、波動関数は世界に実在するのではなく、個人の主観的な心の状態を反映しているだけだ。
=========================================================================  

端的に表現すると、最後の行の「波動関数は世界に実在するのではなく個人の主観的な心の状態を反映しているだけ」というのが結論で、そう見れば諸々のパラドックスが解消されるということらしいですね。

ということで例の「シュレディンガーの猫」に対しては、

標準的な解釈
  「波動関数は猫が生きていると同時に死んでいることを示唆する
量子ベイズ主義
  「波動関数は心の状態を記述しているだけであり、猫は死んでいるか生きているかのどちらかだ

という立場となります。
これ以上は原典をご覧いただいたほうが良さそうですね。

気になったのは量子ベイズ主義で、ベルの不等式を破るケースはどのように説明するのでしょうか?
ただ、ベルの不等式の値を計算するためには、相関をとるために平均値を計算するのですが、これは頻度主義の統計学そのものなので、そもそも問題にならないということなんだろうか?と考えている程度です。間違っているかも知れません。。

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