ブラックホールの密度について(3)

次に、問(1.3) を検討してみたいと思います。
「ρとして宇宙の密度を考えたときの BH の半径と質量を求めよ。この大きさを宇宙年齢約137億年に対応する観測可能な大きさと比べよ。」
これも、前記事と同じように宇宙の密度から調べます。

「平坦性問題」 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B9%B3%E5%9D%A6%E6%80%A7%E5%95%8F%E9%A1%8C
にあるように、宇宙が平坦であるらしいことから、約 1 × 10-29 g/cm-3 ということらしいです。



を、



に代入すると、



ですが、



を使うと、




となります。
さて、宇宙年齢である t0 ≒ 137 億年で光の進む距離を考えましょう。





で、R と同じになりますね。つまり、

[「もうひとつの一般相対論入門」からの引用]==============================
我々を中心とする領域は、宇宙年齢かけて光が進む距離以遠から見るとブラックホールとなっているのだ(3.6.2 節も参照のこと)。
=========================================================================

ということになるのですが、これも感覚的には受け入れ難い気もします。

問(1.4) 「以上の例から、BH 内部でに居住性について述べよ。」
については教科書を引用します。

[「もうひとつの一般相対論入門」からの引用]==============================
上述の議論によれば、どんなに低密度でも十分ひろがった領域をその外部から見ればブラックホールになりうることがわかる。実際、我々自身ある意味ではブラックホールの内部に住んでいるとも解釈できる。
したがって、ブラックホールの中で"快適に"暮らす17)ことすら可能である。
========================================================================

[注 17) の引用]==========================================================
もしも常日頃そう感じている人にとっては、という話である。世の中には辛いこともまた数多いことは認めざるを得ない。しかしそれは物理学の問題ではなく各人の人生観に関わる価値判断である。
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この記事へのコメント

あもん
2011年11月23日 02:14
まあなんというか、間違いだらけの教科書ということで…(^^;; 1つ前の書き込みに対するレスですが、仮に均一でない場合や定常的でない場合を考えているなら「ではρは何ですか?」ということになります。M=(4/3)πρR^3 はシュワルツシルト内部解で成り立つ式ですし。適用範囲逸脱はよくある間違いですが、東大教授がご自身の専門分野でやらかしてはまずいでしょうね。
T_NAKA
2011年11月23日 10:35
あもんさん、コメントありがとうございます。
この話題はAXIONさんの記事 http://homepage2.nifty.com/AXION/note/2008/note_200808.html#01 にあるように随分前から議論があったようですね。私自身も http://teenaka.at.webry.info/200807/article_29.html の記事やコメントにもあるようにどうも釈然としない状態であることは否めません。なので、時期は約束できませんが、あもんさんの記事を参考にさせて頂いて勉強し直して再度記事を書く計画です。いずれにしても、この本は筆がすべった記述が多いようです。ただ分かり易いのと値段が安いのがメリットですね。。
karaokegurui
2011年11月23日 22:02
>我々を中心とする領域は、宇宙年齢かけて光が進む距離以遠から見るとブラックホールとなっているのだ

これは、立場を入れ替えれば、粒子的地平面より向こう側はわれわれにとってブラックホールと見なすことができるということですよね。
他の誰もそんなことは考えないと思うのですが。
もう一つ、
>ブラックホールの中で"快適に"暮らす17)ことすら可能である。
ブラックホールは重力崩壊の結果できるもので、たとえばシュヴァルツシルト・ブラックホールであればすべての物質が落ち込む中心に特異点があるはずであり、「快適に暮らす」なんてことはありえないはずです。

いずれもいくら須藤先生のような権威がおっしゃることでも、到底承服しかねます。
「筆がすべった」では済まされないと思うのですが。
karaokegurui
2011年11月25日 23:22
AXIONさんの記事があるので、
>>>他の誰もそんなことは考えないと思うのですが。
というのは明らかに誤りであり、撤回します。

AXIONさんの記事からビッグクランチに向かう宇宙論ときわめて密度の低いシュヴァルツシルト・ブラックホールの内部が外から見ると同じに見えるということは分かりました。
ただ、AXIONさんの記事はその直後で「妄想」という表現を使っておられて、須藤さんと比べ非常に自制が利いた文章のように感じます。

これ以上コメントはしません。これへのレスも不要です。
お騒がせしました。

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