T_NAKAの阿房ブログ

アクセスカウンタ

zoom RSS 「GPSの相対論的補正」の再掲

<<   作成日時 : 2015/11/02 00:01   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 0

GPSの相対論的補正_備忘録GPSの相対論的補正の数値を押さえておきたいを再掲したいと思います。
これも「Vessot の実験」と同じく「時空の科学」(細谷暁夫著・岩波書店)に載っていた内容です。

地球は良い近似で球体と考えてよく自転速度も光速に比べて無視できるという条件で考えることにします。

こういう条件で、なおかつ人工衛星は円軌道をえがくとし、(楕円でしょうが、ここは近似ということで、、)人工衛星はシュバルツシルド時空を運動すると考えて良いでしょう。
画像

そうすると、動径座標 \(r\) は固定されていると考えて、\(dr = 0\) から、
\[
c^{2}d\tau^{2}=\left(1-\frac{r_{s}}{r}\right)c^{2} dt^{2}-r^{2}d\phi^{2} \rightarrow c^{2}=\left(1-\frac{r_{s}}{r}\right)c^{2}\left ( \frac{dt}{d\tau } \right )^{2}-r^{2}\left ( \frac{d\phi}{d\tau } \right )^{2}
\]
なので、
\[
c^{2}=\left(1-\frac{r_{s}}{r}\right)c^{2}\left ( \frac{dt}{d\tau } \right )^{2}-v^{2}\left ( \frac{dt}{d\tau } \right )^{2}= \left \{ \left(1-\frac{r_{s}}{r}\right)c^{2}-v^{2} \right \}\left ( \frac{dt}{d\tau } \right )^{2}
\]
つまり、
\[
\frac{dt}{d\tau }= \frac{1}{\sqrt{1-\frac{r_{s}}{r}-\frac{v^{2}}{c^{2}} }}
\]
です。
ここで、電磁波は垂直に発信されるとすると、その波数ベクトルの \(\phi\)成分はゼロなので、人工衛星から発する電磁波の固有振動数 \(\omega\)は、
\[
\omega = k_{\mu }\frac{dx^{\mu }}{d\tau }= k_{0}\frac{dx^{0}}{d\tau }= k_{0}c\frac{dt}{d\tau }= \frac{k_{0}c}{\sqrt{1-\frac{r_{s}}{r}-\frac{v^{2}}{c^{2}} }}
\]
となります。一方、地上でこれを受信すると地球の自転による受信機の速度を \(V\) として、その振動数 \(\omega_{rec}\) は、この式において \(r\rightarrow R\) 、\(v\rightarrow V\)とすれば良いことになります。つまり、
\[
\omega _{rec}= \frac{k_{0}c}{\sqrt{1-\frac{r_{s}}{R}-\frac{V^{2}}{c^{2}} }}
\]
です。ここで比をとると、
\[
\frac{\omega _{rec}}{\omega }= \sqrt{\frac{1-(r_{s}/r)-(v/c)^{2}}{1-(r_{s}/R )-(V/c)^{2}}}
\]
となります。
左辺は、地上の時計と衛星の時計の刻みの比 \(\Delta t/\Delta t_{rec}\) と考えていいですね。

=======================================================
実際の \(GPS\) システムでは、\(12\) 時間で \(1\) 周する円軌道の衛星を用いているので \(r = 26.6\times 10^{6}\mathrm{m}\) であり、速度は \(3.9\times 10^{3}\mathrm{m/s}\) である。
したがって、一般相対論的な補正は \(0.45\times 10^{-9}\) くらいで、\(1\) 日に生じる時間の誤差は \(3.9\times 10^{-5}\) 秒である。
光の進む距離に換算すれば \(12\mathrm{km}\) ぐらいになる。
=======================================================

と「時空の科学」(細谷暁夫著・岩波書店)に書いてありましたが、この数値を検証してみたいと思います。
まず、パラメータというか定数をあげておきます。
\begin{align*}
G&=6.67\times10^{-11} \mathrm{Nm^{2}kg^{-2}}\\
c&=3\times10^{8} \mathrm{m/sec}\\
M&=5.97\times10^{24} \mathrm{kg}\\
R&=6.36\times10^{6} \mathrm{m}
\end{align*}
から、
\begin{align*}
r_{s}&=\frac{2MG}{c^{2}}= \frac{2\times 5.97\times 10^{24}\times 6.67\times 10^{-11}}{(3\times 10^{8})^{2}} = \frac{2\times 5.97\times 6.67\times 10^{13}}{9\times 10^{16}}\\
&= \frac{2\times 5.97\times 6.67}{9} \times 10^{-3}= 8.85\times10^{-3}\mathrm{m}
\end{align*}
なので、
\begin{align*}
\frac{r_{s}}{r}&= \frac{8.85\times 10^{-3}}{26.6\times 10^{6}}= 0.33\times 10^{-9}= 3.3\times 10^{-10}\\
\frac{r_{s}}{R}&= \frac{8.85\times 10^{-3}}{6.36\times 10^{6}}= 1.4\times 10^{-9}\\
\left ( \frac{v}{c} \right )&= \left ( \frac{3.9\times 10^{3}}{8\times 10^{8}} \right )^{2}=(1.3\times 10^{-5})^{2}= 1.7\times 10^{-10} \gg \left ( \frac{V}{c} \right )^{2}
\end{align*}
となります。よって、
\begin{align*}
\frac{\omega _{rec}}{\omega }&= \sqrt{\frac{1-3.3\times 10^{-10}-1.7\times 10^{-10}}{1-1.4\times 10^{-9}}}= \sqrt{\frac{1-5.0\times 10^{-10}}{1-1.4\times 10^{-9}}}\\
&= \sqrt{\frac{0.9999999995}{0.9999999986}}= \sqrt{1.0000000009}= 1.00000000045 =1+0.45\times 10^{-9}
\end{align*}
であり、補正は \( 0.45\times10^{-9}\) となります。
\[
1日= 24\times60\times60 秒 = 8.64\times10^{4} 秒
\]
なので、1日に生じる誤差は
\[
8.64\times10^{4} 秒\times 0.45\times 10^{-9} = 3.9\times10^{-5} 秒
\]
となります。

テーマ

注目テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 1
なるほど(納得、参考になった、ヘー)

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
「GPSの相対論的補正」の再掲 T_NAKAの阿房ブログ/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる