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zoom RSS 基底ベクトル(2)

<<   作成日時 : 2009/11/20 00:02   >>

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前記事で「ベクトルの反変成分」を示しましたが、ときどき「反変ベクトル」という表現が見られます。
私個人的には、この「反変ベクトル」という表現は適切でないと思っています。
何か普通の意味での「ベクトル」とは別ものの「反変ベクトル」というものが存在するように誤解されるからです。

さて、通常の教科書では、

「 Aμ' = (∂xμ'/∂xα)Aα という変換則に従う量 Aμ を反変ベクトルと呼ぶ(定義する)」

といった書き方をしているようなことが多いです。
これを踏まえて、次の引用を読んでください。

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しかし、本来の相対論的マインドに沿って言うならば、「物理量は座標系によらない概念で、したがって、座標変換に対して不変である」と言いたいところである。
物理量そのものは座標に依らず、単にその成分が座標系によって変換するという考え方はごく自然である(と思う)。
通常の教科書は、この解釈ではない(少なくとも自明ではない)。
もちろん、これはものの言い方だけで実質的には何も変わらないから良いのだ、と考える人もいるかもしれない。
しかし、上述の考え方を一貫して前面に出しているのは Misner,Thorne and Wheeler (1972) の教科書である。
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ポイントは次の考え方ですね。

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つまり、ベクトルで表される物理量はあくまで不変であるが、それを成分で表示した場合には、{eμ} の選び方に対応して、成分である Aμ は変化する。
 A(P) = Aμ(P)eμ(P) = Aμ'(P)eμ'(P)
から明らかなように、これは A(P) が座標系に応じて変化するのではなく、不変であることの帰結である。
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Aα そのものが変化するというよりも、

「 {eμ} の選び方に対応してその変化した分をまとめて Aμ' と定義した 」

ということです。

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このように「基底ベクトルで展開できる物理量がある」、という主張にとどまらず、「およそ物理的に意味をもつ量はあまねく基底ベクトルで展開できる(後述のテンソルを含め)」というのが、相対論の本質的な主張である。
 … 中略 …
しかしいったんそう言われた後で落ち着いて考えてみれば、その主張は別に実にあたりまえのことのように思えてくる。
さらにその帰結として重力が導かれるという事実は、ゲージ理論という枠組みに共通する「対称性→物理法則(相互作用)が具体的に決まる」の顕著な例になっていることを知ってしまえば、これは素晴らしいと形容するしかない。
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ここで、基底ベクトル間の内積を定義して、

eμeν ≡ gμν

と書きます。
そうすると、無限小離れた2点間の距離(線素)は

ds2 = (dxμeμ) ・(dxνeν) = gμνdxμdxν

と書け、 gμν は計量(metric)と呼ばれます。
なお、例えばこの ds2 のように、eμ に依らずその値が決まるものをスカラー(scalar)と呼びます。

これらを一般化して、Aeμ の n 個のテンソル積で展開できる場合:

画像


A を n 階テンソルと呼び、Aμ1…μn をその反変成分と呼びます。
このテンソル積については、別の記事で説明するつもりなので、ここはそのことをサラっと流しておきましょう。

今日はこの辺で。。

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