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help リーダーに追加 RSS ベルの宇宙船パラドックス

<<   作成日時 : 2006/09/04 00:28   >>

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前の記事で、wikipediaの「ベルの宇宙船パラドックス」 http://en.wikipedia.org/wiki/Bell%27s_spaceship_paradox を見つけたことを報告しましたが、その内容の拙い訳を今回の記事にしてみました。
これを読むと、ネット上での「2台の宇宙船パラドックス」論争に出てきた議論は、過去に出尽くしているようですね。
ただ内容的に分からない部分があります。これは私の拙い英語力の所為でしょうか。。
原文を読んで比較していただけると幸いです。

========================================================

「ベルの宇宙船パラドックス」は、ローレンツ収縮のストレス効果を示す目的で考案された特殊相対性理論の思考実験です。

最初は1959年にE.デューアンとM.ベランによって議論されましたが、1976年にJ. S.ベルの指摘によってより広い注目を浴びるようになりました。
(「2台の宇宙船パラドックス」や「ロケットとひものパラドックス」としても知られています。)

前後に並んだ2台の同一の宇宙船が、わずかに伸ばされるだけで切れてしまう脆弱なひもで繋がれており、離陸するとします。

両方の宇宙船が正確に同じ加速と同時に離陸するなら、結局ひもは切れるのでしょうか?

デューアンとベラン、更にはベルによる議論によると、宇宙船発射装置(すなわち地上)の系では、宇宙船の間の距離は一定のままで、ひもの弾性限界長ぎりぎりです。
そのため、いつかは、ひもは切れなければなりません!
(分かりにくい表現ですが、「ひも自体がローレンツ収縮でちぢむため、地上の系で弾性限界長ぎりぎりなら切れてしまうだろう」ということではないかと思います。)

彼らは宇宙船の進路に沿って(元々)動いている慣性系を用いて同じ結果を得て、「それらの視点から、ひもの長さは弾性限界長ぎりぎりで一定のままであるが、宇宙船の間の距離は増加する」と主張しました。

長年にわたって、いくつかの異議が上がり、上記の結論に対し、ひもが切れない論拠が提案されました。
特に、1962年のNawrockiは、「宇宙船の間の距離は、彼らを繋いでいるひもの長さと同じように、相対論的効果がなければならない」と指摘しました。

[思考実験]

宇宙ステーション上で、前後に並んだ2台の同一の宇宙船が距離Lによって離されて置かれていて、しかも同じ方向を向いています。
それらの2台の同一の宇宙船は、長さは正確ですが、少しの引っ張りでも切れてしまう脆弱な長さLひも列によって結ばれます。
彼らには同時に出発して、同一のプロフィールで加速推進するとします。

彼らの速度が増加することにより、相対論的効果が発現して、ひもは切れてしまうでしょうか?

[要素分析]

以下の分析法では、我々は宇宙船を質点とみなして、ひもの長さを考慮するだけとします。

[デューアン、ベランおよびベルによる説明]

デューアンとベランによる議論或いはベルによってなされた説明をすると、
宇宙船発射装置(すなわち地上)の系(Sと呼ぶ)では、宇宙船(AとB)の間の距離Lは「定義上」、一定のままです。:なお、物理学の法則は、座標系の選択に、依存しません。

これを例示すると、以下の通りになります。t>0の領域で、SのX軸に沿った座標変換は、時間の関数f(t)として書くことができます。関数f(t)は、あらゆる時間においてエンジン推力に依存しており、両方の宇宙船に同じ影響を与えます。その結果、時間に対応する各々の宇宙船の位置座標は、次のようになります:

(x)A=(x0)A+f(t) ; (x)B=(x0)B+f(t)

Aは、Bより距離L分だけ前の位置から発進します:

(x0)A=(x0)B+L

したがって、有効なすべての時間tにおいて、「定義上」:

(x)A-(x)B=L

これは、2台の宇宙船が同期して同じ運動(たとえば安定した適当な加速)する場合に相当します。

特殊相対性理論においては、系Sに比較して速く動いているどんな物でも(物体が静止している系S’でその長さが不変に見えているならば)、基準系Sにおいてはローレンツ収縮しているように見えなければなりません。
この場合のように、動いている物体が基準系Sにおいてその元の長さLを保管するという変わったケースでは、系S’において(不変ではなく)延ばされている(或いは伸びた)ということです。

従って、デューアン、ベランとベルは、宇宙船(の間隔が変わらず)ひもが縮むのを妨げるならば、ひもに応力が加えられなければならないと主張しました。
そして、いつか(その弾性限界で)、ひもは切れなければなりません。

彼らは、宇宙船の進路に沿って(元々)動いている慣性系を用いて、そこでの観測者から見た場合、宇宙船Aは(Bより)前の時刻に発進し、宇宙船の間の距離は伸長することを示しました(同時刻の相対性からわかると思います)。
同様に、デューアンはひもが切れる最終的な基準系から、状況を考慮しました。その観点からは、ひもが基準速度に近づいてくるにつれて、収縮しているひもの長さが徐々に伸びてきます。彼は、この見地から、長さ収縮がひもの断線の原因でないと主張しました;
その代わりに、認められた原因は、各々の宇宙船が異なる時刻で発進するということです。このように他の(指定されていない)慣性系では、断線はローレンツ収縮と同時性の欠如の混合によります。彼は特殊相対性理論に基づく加速系での計算も検討しました。

1976年の論文で、ベルは「通常人々は(例えば宇宙船Aに)乗船している観測者によってどう見えるかを計算する方を選ぶ」ということに注目しました。彼らは「そのような観測者によると宇宙船Bが段々後方に押しやられていくのを見る」と分かるようになります。このようにして、断線するまで糸は引っ張られることになります。
デューアンの考察から、これは特殊相対性理論を加速系まで拡張することにより理解することができますが、ベルの意見は、(各動体を加速するよりはむしろ)この種の問題は、一つの慣性系で最も簡単に解決されるとしています。

ベルによると、系Sでの物体のローレンツ収縮は、マクスウェルの法則によって、物理的に説明されるとのことです。
歪められた(物体を構成する)分子間の場が動体の縮む原因になります。−または、これに妨げるための応力となります。対照的に、そのような力は、ロケット間の空間では働きません。

松田と木下は2004年にベルの問題に新たな風を送りました。そして、デューアン(ベランとベル)と同じ結論に達しました。

この問題は教科書であまりめったに言及されなくて、インターネット上に時折特殊相対性理論メモで見かけます。
そこでは、ベルの説明は通常提示されます。

[反論]

長年にわたって、いくつかの異議が上がり、上記の結論に対し、ひもが切れない論拠が提案されました。
1962年のNawrockiは、「宇宙船の間の距離は、彼らを繋いでいるひもの長さと同じように、相対論的効果がなければならない(色々な異なる速さで動いている他の観測者には、ひもが切れるように見えるかどうかの矛盾を主張することと同様に)」と異義を唱えました。
彼によると、宇宙船の代わりに加速する宇宙ステーションであっても、特殊相対性理論において、状況は同じことでなければなりません;さらに、デューアンが正しいならば、特殊相対性理論はエーテルの存在を前提としなければならず、特殊相対性理論における「基本的な矛盾」ということになります。
しかし、デューアン(第2論文が、Nawrockiのメモへの反論を意図しました)によると、Nawrockiの異議のすべては「同時性を関連させている単純な誤解に基づくもの」ということです。特に、加速後は再度時計合わせをする必要があります。

ベルは1976年の記事において、「彼が略式にこの問題を提示した時に、CERN理論部門の全員が彼の結論を否定した」と洩らしました。


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2台のロケットのパラドックスII
2台のロケットが慣性系に静止している。 この2台のロケットは、ピンと張った糸で結 ...続きを見る
TACの独り言
2007/12/08 07:47

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2006/09/04 14:21
こんにちは。

英文訳はとてもT_Nakaさんほどうまく出来るとは思えませんので、コメントもおこがましいのですが、ひとつだけ。

思案実験と訳されていますが、物理では思考実験がとおりが良いと思います。かのEinstein以来、思考実験が単なる空想ではなく、緻密な理論構成に基づいた、立派な科学的手法のひとつに格上げされたのだと思いますが、それにはやはり相当な科学的訓練とある種の直覚力が必要なようです。
しかし、何しろ御大の提起した手法ですから、理論家たちが真似て百花繚乱の様相を呈するのもまた、宜成るかな、ですね。
明男
2006/09/05 00:03
明男さん、こんばんは。

いや、これはミスでした。「思考実験」のつもりでした。
半分、翻訳ソフトをつかっちゃったので。。(汗
(どうしても辞書引いたりするのが面倒くさいので。。)

いずれにしてもご指摘ありがとうございます。
早速直しておきます。
T_NAKA
2006/09/05 00:26
こんにちは。
「stress」というのは、この文面では「応力」(物理用語?)の
ほうがいいのでは?
stress effect も「応力効果」とか....
--------
>>どうしても辞書引いたりするのが面倒くさいので
「英辞郎」は使われないのですか? \(^o^)/
 はは、でも「英辞郎」でも「stress effect」は「ストレス効果」
 でしたが。\(^o^)/
 物理用語としては、「まんま」のほうが、人口に膾炙している
 のでしょうか?

 はは、「英辞郎」にひとつ不満があるとすると、「カタカナに
 しただけの訳語が多い」、かな?ということです。\(^o^)/
Kimball
2006/09/05 06:38
Kimballさま、コメントありがとうございます。

確かに、「応力効果」の方が良いかも知れません。
後で直そうと思って順次訳していると、最初の方がいい加減になってしまいますね。。

ところで、ローレンツ収縮において応力を考えるというのには、感覚的に抵抗があるんですね。
この記事では、分子間の場の力(電磁力)おいて、マックスウェル方程式のローレンツ変換不変性が原因のような説明していますが、これって、ローレンツがMM実験の説明に使った論理ですね。

なんか、時代が後戻りしているような印象です。

「同時刻の相対性」だけ使えばいいような気もしますが。。。
T_NAKA
2006/09/05 09:06
http://homepage1.nifty.com/tac-lab/
の管理者のTACと申します。

貴ブログにていろいろ勉強させていただきました。
ありがとうございます。
変動するローレンツ収縮においては、応力を考えるか、それが嫌なら電磁力に言及する必要があるような気がします。いかがでしょうか。力に言及しなくてもいいはずだということならば、物体には、速度に応じたローレンツ収縮を保とうとする慣性のようなものがあるという説明になると思います。
TAC
2007/12/13 10:24
TACさん、コメントありがとうございます。
これは2台のロケット間に渡された糸が何故きれるか?という問題にしてしまっているから、いろいろ悩むのであって、地上静止系で観測してロケット間の距離を一定に保つ加速をしている2台のロケットがあり、これを各ロケットの乗客が観測した場合にその距離がどうなるか?という問題ならば、ことさら応力などというものを持ち出さなくて良いことになります。
実際問題として、1台のロケットが糸を引きずっているだけでも(2台目のロケットが繋がれていなくても)、糸に質量がある限り、相対論効果が見えてくるような加速をした場合は切れてしまうと思います。
つまり実際的でない議論をしても無駄ではないか?と思っている次第です。
長い1台のロケットが加速している場合も、ロケットエンジンの噴射口から力がじょじょにボディを弾性波が伝わって ロケットのボディ全体が同時に加速していることは実際上ありえないので、問題は同じです。
T_NAKA
2007/12/13 14:23
>これを各ロケットの乗客が観測した場合にその距離がどうなるか?という問題ならば、

なるほど、そういう意味で、本文で「同時刻の相対性」とおっしゃっているのですか。よくわかりました。

例の掲示板の議論でT_NAKAさんの書き込みが目につき、よくわかったものですから、ついトレースして、今回アプローチさせていただきました。

個人的には、ボルンの剛体に至る話には、興味がありますが、議論になったのは一年以上前ですもんね。

御迷惑でなければ、またきますね。
TAC
2007/12/13 18:03

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