熱力学(4-11)
「クラペイロンの式」を続けます。
いままで、液体-蒸気系でクラペイロンの式を導出してきましたが、同じ式が物質の状態変化に適用できるようです。
固体の融解例:
与えられた圧力のもとでは固体は一定の温度で融解し、この温度は固体にかかる圧力とともに変化する。
→ 固体-液体系において、固体状態と液体状態が平衡して共存できる圧力は温度の関数である。
この場合、 \(\lambda\):融解熱、 \(v_{1}\):固体の比容、 \(v_{2}\):液体の比容
氷の融解:




から
}&=\frac{336\times 10^{7}[\mathrm{erg/g}]}{273.1[\mathrm{deg}]\times (1.00013-1.0907)[\mathrm{cm^{3}/g}]}\\ &=-\frac{336\times 10^{7}}{273.1\times 0.09057}[\mathrm{dyn/cm^{3}\cdot deg}]\\ &= -1.36\times 10^{8}[\mathrm{dyn/cm^{2}\cdot deg}] \end{align*})
つまり

ここで、

なので、

となり、圧力が \(134\) 気圧増すと氷の融点は \(1^{\circ}\) 下がることになります。
-------------------------------------
氷塊が氷河の河床で岩にぶつかると、氷の岩に対する高い圧力でその点における氷の融点が下がり、その結果岩の片側で氷が融ける。圧力が除かれれば直ちに再び氷結し、このようにして氷塊は障害物のまわりを非常にゆっくり流れることができるのである・
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参考:「なぜ氷の上は滑るのか?」という問いに対する伝統的な通説が覆される
いままで、液体-蒸気系でクラペイロンの式を導出してきましたが、同じ式が物質の状態変化に適用できるようです。
固体の融解例:
与えられた圧力のもとでは固体は一定の温度で融解し、この温度は固体にかかる圧力とともに変化する。
→ 固体-液体系において、固体状態と液体状態が平衡して共存できる圧力は温度の関数である。
この場合、 \(\lambda\):融解熱、 \(v_{1}\):固体の比容、 \(v_{2}\):液体の比容
氷の融解:
から
つまり
ここで、
なので、
となり、圧力が \(134\) 気圧増すと氷の融点は \(1^{\circ}\) 下がることになります。
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氷塊が氷河の河床で岩にぶつかると、氷の岩に対する高い圧力でその点における氷の融点が下がり、その結果岩の片側で氷が融ける。圧力が除かれれば直ちに再び氷結し、このようにして氷塊は障害物のまわりを非常にゆっくり流れることができるのである・
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参考:「なぜ氷の上は滑るのか?」という問いに対する伝統的な通説が覆される
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