LaTeXの練習(5)


今回は④です。

[④]----------------------------------------------

5.結論

さて『定数 \(K\) 』とは何でしょうか?

仮に、\(K=0\) としてみると、式(17)(18)(19)は

\[
{x}'=x-vt
\]
\[
{t}'=t
\]
\[
w=v+u
\]

となり、ガリレイ変換になります。

また、\(K<0\) としてみると、式(17)(18)(19)は

\[
{x}'= \frac{x-vt}{\sqrt{1+|K|v^{2}}}
\]
\[
{t}'= \frac{t+|K|vx}{\sqrt{1+|K|v^{2}}}
\]
\begin{equation}
w= \frac{v+u}{1-|K|vu } \tag{20} 
\end{equation}

となります。
ここで、\(v=u>1/\sqrt{|K|}\) として式 (20) に代入すると、\(w<0\) となってしまいます。
正の速度を加えると負の速度となることは不自然ですから、この条件「\(K<0\)」は取り除かれなくてはなりません。よって『定数 \(K\) 』の範囲としては、

\begin{equation}
K\geq 0 \tag{21}
\end{equation}

となります。

次に別の観点から、 \(K\) について考えてみます。
式(19)

\[
w= \frac{v+u}{1+Kvu }
\]

単位を考えると、 [\(w\)] = [速度] で、左辺の分子も同様に [\(v+u\)] = [速度] ですから、左辺の分母は [\(1+Kvu\)] = [無名数(単位の無い数値)] にならなければなりません。
つまり、[\(1+Kvu\)] = [無名数] ⇔ [\(Kvu\)] = [無名数] ⇔ [\(K\)] = [速度\(^{-2}\)] ということです。

これを、式 (17) (18) (19) に代入すると、

\begin{equation}
{x}'= \frac{1}{\sqrt{1-\frac{v^{2}}{h^{2}}}}(x-vt) \tag{22}
\end{equation}
\begin{equation}
{t}'= \frac{1}{\sqrt{1-\frac{v^{2}}{h^{2}}}}\left ( t-\frac{v}{h^{2}}x \right ) \tag{23}
\end{equation}
\begin{equation}
w= \frac{v+u}{1+\frac{vu}{h^{2}}} \tag{24}
\end{equation}

という変換式と速度の加法則が得られました。

式 (23) (24) の分母 \(\sqrt{1-\frac{v^{2}}{h^{2}}}\) に注目すると、虚数を排除するために、根号 \(\sqrt{\;\; }\) の中は常に非負でないといけませんから、

\[
v\leq h
\]

となり、『 \(h\) は実現可能な最高速度』ということになります。
ちなみに、式(24)において \(u=h\) としてみると、

\[
\frac{v+h}{1+\frac{vh}{h^{2}}}= \frac{v+h}{1+\frac{v}{h}}= h\frac{v+h}{v+h}= h
\]

となり、速度 \(h\) の系に別の速度 \(v\) を加えても速度 \(h\) にしかならないことが分かります。
これからも『 \(h\) は実現可能な最高速度』ということになります。

6.最後に

普通、ローレンツ変換を求めるときは、もっと短くて済みますが、何故こんなに長くなったかというと、「光速度不変の原理」を使っていないからです。

アインシュタインが特殊相対性理論を構築したときの指針とししたのは、「相対性原理」と「光速度不変の原理」です。
しかし、デビッド・マーミンは『マーミン 相対論 - 新しい発想で学ぶ』(町田茂=訳、丸善)のなかの「光なしの相対論」の章で、「光速度不変の原理」を使わずに、速度の加法則を導出しています。ということは、理論構築には「光速度不変の原理」は必ずしも必要ではなく、理論の結果から「不変速度」が存在して、物理的証拠から「不変速度=光速度」ということになります。

ただし、マーミンの述べる方法は解析的な手法を用いており、かなり手ごわいものです。そこで、今回は四則演算と√のみでローレンツ変換の導出を行いました。
またご覧いただければ、分かると思いますが、「変換式が相対速度のみの関数であろう」ということと、「変換群が可換であろう」ということをを使い論理を進めました。

前出の『マーミン 相対論 - 新しい発想で学ぶ』によれば、「光速度不変の原理」を使わないで特殊相対性理論を導く試みは1910年にイグナトフスキーからだそうで、今までにかなりの論文があるらしいです。
(パウリは「群論的な仮定からは、変換式の一般形を導くことができるだけで、その物理的内容を導くことはできない」と言っていますが。。。)

さて、「アインシュタインの特殊相対性理論は間違っている」との論を展開している人が見かけられますが、どうもマイケルソン=モーレーの実験など「光」に関するところで議論を展開して奇妙な事を言っているようです。また、ローレンツ収縮などは「光学的観測」の結果であって、実体の無いものと考えている人も居るようです。

こういう人達に「『光速度不変の原理』を使わないで特殊相対性理論を導くことが出来る」と知って欲しいですね。

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