光子半径の導出を考える

M87銀河の巨大ブラックホールの撮影に成功」というニュースに関連して「光子半径(Radius of Photon)」と「射影半径(projection radius)」という言葉が飛び交っています。ここでは「光子半径が、シュバルツシルト半径の1.5倍」というのを考えてみます。

「光子半径(Radius of Photon)」というと、素粒子としての光子そのものの半径かと思ってしまいますが、実はここの記述を拝借すると、

「ブラックホールのそばで光を放つと、歪められた時空に沿って光は進む。このとき、光が真円を描いて元の位置に帰ってくるように調節したとき、その位置とブラックホールの中心までの距離が、光子半径となる。光子半径上から円周方向を観測すると、自分の姿を見ることができる。光子半径は、シュバルツシルト半径の1.5倍。」

ということで、量子論の話題ではなく、一般相対論(Schwarzschild 時空)の問題でした。

まず、Schwarzschild 計量は の自然単位を使うと、

 

ただし、 でSchwarzschild 半径を示します。
さて、光の軌道が「真円」ということで、座標軸を上手くとると、 とすることができ、なにより光の軌道なので、 となります。したがって

 

より

 

この条件だけでは光子半径は求まりません。いろいろ悩んでググってみたら、"Photon sphere" の wikipedia に測地線方程式

 

を計算して(A)式の右辺を求めれば良いようです( という文字を使ってますが、固有時という意味ではなく、単なるパラメータです)。
Schwarzschild 計量での Christoffel 記号(2)を参照すると、 は対角要素以外はゼロなので、

 

なりますが、

 

は、明らかにゼロなので、測地線方程式は

 
 
です。ここから

 

となります。(A)(B)式の右辺を比較すると、

 

となり、「 光子半径は、シュバルツシルト半径の1.5倍」ということになりました。

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