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zoom RSS またまた「ベルの宇宙船パラドックス」を訳してみよう(1)

<<   作成日時 : 2019/01/04 00:01   >>

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wikipediaBell's spaceship paradoxの内容がまた更新されていたので、それも含めてまとめておきましょう。

[ベルの宇宙船パラドックス]--------------------------------------

「ベルの宇宙船パラドックス」は、特殊相対性理論の思考実験である。最初は1959年にE.デューアンとM.ベランによって考案されたが、J. S.ベルの修正版によってより広い注目を浴びるようになった。
2つの宇宙船が繊細な紐か糸で繋がっている。今、両方の宇宙船は慣性系Sで同時かつ等しく加速を開始する。つまりSにおいて常に同じ速度を有する。それらはすべて同じローレンツ収縮の影響を受け、全体が開始時の長さに関してSで均等に収縮しているように見える。したがって、一見して糸が加速中に切れないように思えるかもしれない。
しかし、この議論はデューアンとベランとベルによって示されるように正しくない。宇宙船間の距離は、Sで両方の宇宙船が等しくかつ同時に加速されるため、Sにおいては同じままである。よって、開始時の距離はローレンツ収縮を起こさない。
また、2台の宇宙船が瞬間的に静止している系(S ')では、宇宙船の加速が同時刻の相対性により、ここでは同時ではないので、2台間距離の静止長が増加していることが分かる。一方、糸は静電気力によって一体となって保持される物理的物体であり、同じ静止長を維持する。したがって、慣性系Sでは、運動中の物体の電磁場が考慮されるときに導かれるように、ローレンツ収縮しなければならない。したがって、両方の系で計算した結果(系 S 'では非同期加速と宇宙船間の距離の増加で、系 S では糸の長さの収縮)、糸は切れることが示される。
以下、物体の静止長または固定長は、物体の静止系で測定された長さである。(この長さは、特別な場合の2つの事象間の固有距離に相当し、これらの事象は静止系で同時に測定される。)

画像

図の説明:
上:Sでは宇宙船の間の距離は同じであり、糸は収縮する。
下:S 'では宇宙船の間の距離が増加するが、糸の長さは変わらない。

1.Dewan and Beran:デューアンとベラン

デューアンとベランは思考実験を以下のように書いた:

「慣性系 S 内に静止している2つの同じロケットを考えよう。同じ方向に向いて、片方がもう一方の後に位置するようにする。(Sにおいて)予め決められた時刻に両方のロケットが同時に発射すると仮定すると、(時間の関数であったとしでも)実験を通してSに対する速度は常に等しい。これは、定義上 Sに関して相対論的速度に速度を増加しても2つのロケット間の距離は変化しないことを意味する。」

その後、この設定をもう一度繰り返すが、今回は最初のロケットの後部が2番目のロケットの前部に絹糸でつながっているとし、 彼らは次のように結論づけた:

「特殊相対論によれば、糸はSに関して速度を有するので糸はSに関して収縮しなければならない。しかし、ロケット間距離はSに対して一定に維持するので、糸(開始時には緊張していると想定している)は収縮することができない。したがって、内部応力が発生し、弾性限界に達する十分な速度が得られると最終的に糸は切れる、」

デューアンとベランはまたローレンツ変換を適用して、1台目のロケットが瞬間的に静止する慣性系の観点からの結果について議論した:

から、ここで使用される各慣性系は、 因子のために場所によって異なる同期機構を有する。 が増加するにつれて、前方ロケットは、瞬間的な慣性系に関して後方ロケットからより大きな距離に見えるだけでなく、より早い時期に発射したことを示すことができる。」

彼らは結論づけた:

「物体が慣性系に対して同じ加速度を有するように拘束されるときはいつでも(あるいは、慣性系に対してその寸法が固定されるように 、回転がない場合)、一般的に相対論的応力を経験しなければならない。」

次に、彼らは、a)接続された棒の両端間の距離 と、b)慣性系に対して同じ速度で動く2つの未接続物体間の距離との間 に差がなければならないという反論について議論した。 デューアンとベランは次のように主張してこれらの異議申し立てを取り除いた。

・ロケットはまったく同じように構成されており、同じ加速度でSの同じ瞬間から始まり、常に同じ速度を持つ。したがって、彼らはSの同じ距離を移動しているので、相互距離はこの慣性系では変化しない。そうでなく、距離がSで収縮すればこの系でのロケットの速度も異なることを意味し、これは等しい構造と加速の最初の仮定と矛盾する。
・彼らはまた a)と b)の間に実際に違いがあると主張した。ケース a)は における棒の静止長 の概念に基づく長さ収縮の通常の場合であり、棒自体の剛性と見なすことができる。そのような状況下では、棒はSで収縮する。しかし、距離が の加速度が不均一なために増加しているので b)の場合は剛性と見なすことができず、ロケットはこれを補うために情報を交換して速度を調整する必要がある。-これらの事情はすべて a)の場合には発生しない。

2.Bell:ベル

  [図]
画像

Vertical arrangement as suggested by Bell.

ベルの思考実験の修正版では、A、B、C の3つの宇宙船が最初は共通の基準慣性系に静止している。B と C は A と等距離である。
その後、信号が A から B と C に同時に送られ、B と C は垂直方向に加速を開始し(同じ加速度プロフィールで予めプログラムされている)、A は元の基準慣性系で停止したままになる。ベルによれば、これは B と C(Aの静止系に見られるように)は、常に同じ速度を持ち、固定された距離だけ互いにずらされたままであることを意味する。今、切れ易い糸が B と C の間に結ばれていると、収縮のためにもう十分な長さではない。したがって切れる。彼は「自然な収縮に対する人工的予防は耐え難いストレスを課す」と結論づけた。

ベルは、彼がパラドックスを提示したときに "著名な実験主義者"からの多くの懐疑論に遭遇したと報告した。紛争の解決を試みるために、CERNにおいて非公式かつ非体系的な意見調査が行われた。ベルによると、糸が切れないと間違った主張の "明確な合意"があった。ベルは続けて、こう言う。

「もちろん最初に間違った答えを出してしまった人たちの多くも、熟考の末、正しい答えを得る。通常、このような人たちは、観測者 B または C にとって物事がどう見えるかを理解しようとする。そうして彼らは、例えば B が後方にどんどん遠ざかる C を見ることになり、与えられた糸がもはやその距離を伸びることができないことを知る。このことが理解できた場合にのみ、おそらく多少の不安を感じながらも、彼らはフィッツジェラルド収縮を含む A の説明においてまったく当然である結論をようやく受け入れるというわけだ。」

3.Importance of length contraction:長さの収縮の重要性

一般に、物体のすべての部分が慣性系に関して同じように加速され、長さの収縮が実際の物理的結果となるとき、相対論的応力が生じるという結論がデューアンとベランとベルによって導かれた。例えば、ベルは物体の長さの収縮と系 S の物体間の長さ収縮の欠如は相対論的電磁気学を用いて説明できると主張した。歪んだ分子間電磁場は、動く物体を収縮させるか、そうすることによって妨げられた場合には応力となる。対照的に、このような力は物体間の空間に作用しない。(一般に、リチャード=ファインマンは、[リエナール-ウィーヘルトのポテンシャルに代表されるように] 一定速度で移動する電荷のポテンシャルの場合から、ローレンツ変換がどのように導き出されるのかを実証した。歴史的側面については、ファインマンは、ヘンドリック・ローレンツが本質的に同じように考えでローレンツ変換に到達したという状況を暗示した。ローレンツ変換の歴史も参照のこと。)

しかし、Petkov(2009)とフランクリン(2009)は、このパラドックスに異なった解釈した。彼らは、2台のロケット系の加速度が等しくないために糸が切れてしまうという結果に同意した。その結果、ロケット間の静止長は増加する(分析セクションのミンコフスキー図を参照)。しかし、彼らはこれらの応力がS系での長さ収縮によって引き起こされるという考えを否定した。これは、長さの収縮が「物理的な現実」を持たないと考えられているからで、ローレンツ変換の結果であり、すなわち4次元空間内の回転なので、それ自体は全く応力を作り出すことができないからである。したがって、Sを含むすべての参照系における応力発生および糸の切断は、相対論的加速だけの効果であると考えられる。

4.Discussions and publications:議論と出版物

Paul Nawrocki(1962)は、糸が切れてはならない3つの議論を示したが、Edmond Dewan(1963)は、元の分析がまだ有効であるという回答を示した。ベルの論文の何年も後に、松田と木下は日本の雑誌で独立に再発見されたパラドックスのバージョンの記事を発表したところ、多くの批判を受けたと報告した。、松田と木下は特定の論文を引用していないが、これらの異論は日本語で書かれているのみである。

しかし、ほとんどの出版物ではいくつかの改訂修正および異なるシナリオを用いて糸に応力が生じることに合意している。例えば、 Evett & Wangsness (1960), Dewan (1963), Romain (1963), Evett (1972), Gershtein & Logunov (1998),Tartaglia & Ruggiero (2003),Cornwell (2005), Flores (2005), Semay (2006), Styer (2007),Freund (2008), Redzic (2008), Peregoudov (2009), Redžić (2009), Gu (2009), Petkov (2009), Franklin (2009), Miller (2010), Fernflores (2011), Kassner (2012)。
同様の問題が角加速度に関連して議論された。 Grøn (1979), MacGregor (1981), Grøn (1982, 2003).

[今日はここまで]--------------------------------------


ここまでは、前に示したものと全く同じです。前記事は対訳方式でいたずらに長くなっていたので、日本語のみを抜き書きました。

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