再掲:「解析接続」の簡単な説明

最近、度々参照している記事なので書き直しておきましょう。

[「解析接続」の簡単な説明 ]=============================

ゼータ関数の件で掲題の「解析接続」の話題が出てきましたので、ちょっとおさらいです。
簡単に言うと、正則関数をその正則性を保ったまま、その関数の定義域を広げることのようです。
私の持っている参考書では1価関数について説明していますが、1価関数に限るのかどうかは分かりません。

まず簡単な例で、原点を中心とした整級数

         (1)

この整級数は |z|<1 (原点を中心とした半径1の円の内部:これを領域 とする) では収束するので、1つの1価正則関数となります。この関数を とすると、

       (|z|<1)  (2)

となります。この は領域 とする)の外部では発散してしまうので、 |z|<1でのみ意味のある関数となることが分かります。
例えば  なら と関数の値が確定します。

ここまでは異論がないことだと思います。

さて、ここで少し細工をしてみましょう。 領域 内の1つの点 を採って、

     (3)

となりますが、 に注目すると、|z-a|/|1-a|<1(これを領域 とする)では

      (4)

となるので、

       (|z-a|/|1-a|<1) (5)

という整級数が考えられます。
とすると、この整級数は |z-a|/|1-a|<1(これを領域 とする)では収束するので、1つの1価正則関数となります。この関数を とし、(5)→(4)→(3) と逆を辿ると、結局

      (|z-a|<|1-a|)  (6)

となるはずです。

画像



これまでのストーリーをまとめますと、

1. (|z|<1)で収束する整級数 が存在して、では は正則な関数 に相当する。
2. の内部の点については、 を中心とするテイラー展開式 が存在する。
3. が収束する領域を とすると、との共通部分 では は同一の関数 を表している。
4.図のような点 をとれば、 の外にはみ出ている領域でも、 は定義され、そこで正則な関数となる。

つまり、はじめ でしか定義されていなかった正則な関数 がテイラー展開式を媒介として、 より外の領域まで定義の範囲を広げたことになります。これが「解析接続」の簡単な概要です。

このように複素関数であると、特異点 を上手く回避して定義域を広げることが出来ます。
これは複素数が2次元平面であることに関係していると思います。
実関数であると、1次元のため を飛び越して領域を広げられません。

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この記事へのコメント

「再掲:「解析接続」の簡単な説明」について
2018年01月10日 13:48
解析接続の例を詳しく示されていて、参考になりました。もっともこういう説明は至る所で見かけるものかもしれませんが、それでもよくわかりました。
有難うございます。
T_NAKA
2018年01月10日 16:35
お役に立てて幸いです。
『縮約(縮退)自然数』
2019年10月20日 11:15
≪…「解析接続」の話題…≫の≪…ゼータ関数の件…≫での⦅自然数⦆の[無限]の[和]からの[-1/2]や[―1/12]への[眺望]として『離散的有理数の組み合わせによる多変数創発関数論 命題Ⅱ』の帰結で観る。

 すると、 [離散] ⇔ [連続]   [有限]] ⇔ [連続] 
 『数学思考』 ⇔ 『時間』 
等々の[双対性]を、 西洋数学の成果の6つのシェーマ(符号)を受け入れて、『自然比矩形』で映し出す『《モナド》写像』から≪…「解析接続」の話題…≫への[眺望]が観えてきそうだ。

 幼く、[寓意的]に『(わけのわかる ちゃん)(まとめ ちゃん) (わけのわからん ちゃん)(かど ちゃん)(ぐるぐる ちゃん)(つながり ちゃん)』で、⦅自然数⦆の[本性]と[セレンディピティ]できるとイイのだが。 
絵本のまち有田川
2020年01月14日 03:57
 自然数は、
 [絵本]「もろはのつるぎ」で・・・

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