カシミール効果とゼータ関数(5)
このシリーズの最後です。一応最終的なカシミール力が出てきますが、ここにも疑問が残ってしまいました。。
[引用⑭]--------------------
さらにリーマンゼータ ζ(s) の積分表示
、Re(s) > 1
を利用し、ガンマ関数の倍数公式を用いると、カシミールエネルギーは結局
= -\frac{L^{d-1}}{\left ( 4\pi \right )^{\frac{d+1}{2}}}\: \Gamma \left ( \frac{d+1}{2} \right )\zeta\left ( d+1 \right )\frac{1}{a^{d}})
となる。
以上ではあらかじめ、プラナの和公式を用い Ecasimir(a) の値を取り出したが、その際に行った無限大の繰り込みは ζ(-d) の値を s ←→ 1-s の関数等式を用いて ζ(d+1) から求めるのに相当する。
----------------------------
まず、前記事で求めた
= -\frac{aL^{d-1}}{2^{d-1}\pi ^{\frac{d}{2}}}\: \frac{1}{\Gamma \left ( 1+\frac{d}{2} \right )}\int_{0}^{\infty }\frac{x^{d}}{\mathrm{e}^{2ax}-1}dx)
の右辺の積分をリーマンゼータ ζ(s) の積分表示の積分部分に合わせることを考えます。

から、
^{d}}{\mathrm{e}^{t}-1}d\left ( \frac{t}{2a} \right )=\frac{1}{\left ( 2a \right )^{d+1}}\int_{0}^{\infty }\frac{t^{d}}{\mathrm{e}^{t}-1}dt)
}{\left ( 2a \right )^{d+1} }\cdot \frac{1}{\Gamma \left ( d+1 \right )}\int_{0}^{\infty }\frac{t^{d}}{\mathrm{e}^{t}-1}dt=\frac{\Gamma \left ( d+1 \right )}{ 2^{d+1}a ^{d+1} }\: \zeta\left ( d+1 \right ))
となります。したがって、
= -\frac{aL^{d-1}}{2^{d-1}\pi ^{\frac{d}{2}}}\: \frac{1}{\Gamma \left ( 1+\frac{d}{2} \right )}\frac{\Gamma \left ( d+1 \right )}{ 2^{d+1}a ^{d+1} }\: \zeta\left ( d+1 \right ) = -\frac{L^{d-1}}{2^{2d}\pi ^{\frac{d}{2}}}\: \frac{\Gamma \left ( d+1 \right )}{\Gamma \left ( 1+\frac{d}{2} \right )}\: \zeta\left ( d+1 \right )\frac{1}{ a ^{d} })
です。さらに、「ガンマ関数の倍数公式」とは "Gamma Function" の(50)式
= \frac{2^{2z-1/2}}{2^{1/2}\pi ^{1/2}}\Gamma \left ( z \right )\Gamma \left ( z+\frac{1}{2} \right ))
を使うと、
= \Gamma \left ( 2\cdot \frac{d+1}{2} \right )= \frac{2^{d+1/2}}{2^{1/2}\pi ^{1/2}}\Gamma \left ( \frac{d+1}{2} \right )\Gamma \left ( 1+\frac{d}{2} \right ))
\Gamma \left ( 1+\frac{d}{2} \right ))
なので、
= -\frac{L^{d-1}}{2^{2d}\pi ^{d/2}}\:\frac{2^{d}}{\pi ^{1/2}}\Gamma \left ( \frac{d+1}{2} \right )\: \zeta\left ( d+1 \right )\frac{1}{ a ^{d} } = -\frac{L^{d-1}}{2^{d}\pi ^{\frac{d+1}{2}}}\:\Gamma \left ( \frac{d+1}{2} \right )\: \zeta\left ( d+1 \right )\frac{1}{ a ^{d} })
となりますが、[引用⑭]の式とは微妙に異なります。以前から言っているように、私の計算では数セミの表現の半分になるので、この点を配慮すると、
 = -\frac{L^{d-1}}{2^{d+1}\pi ^{\frac{d+1}{2}}}\:\Gamma \left ( \frac{d+1}{2} \right )\: \zeta\left ( d+1 \right )\frac{1}{ a ^{d} } = -\frac{L^{d-1}}{4^{\frac{d+1}{2}}\pi ^{\frac{d+1}{2}}}\:\Gamma \left ( \frac{d+1}{2} \right )\: \zeta\left ( d+1 \right )\frac{1}{ a ^{d} })
 ^{\frac{d+1}{2}}}\:\Gamma \left ( \frac{d+1}{2} \right )\: \zeta\left ( d+1 \right )\frac{1}{ a ^{d} })
と同じになります。ということで、メデタシ・メデタシということになるんですが。。
[引用⑮]--------------------
上の表示から、単位面積当りのカシミールエネルギー
がわかる。
たとえば3次元(d = 3)の場合には、ζ(4) = π4/90 だから
= -\frac{\pi ^{2}}{1440}\frac{1}{a^{3}})
である。
したがって、単位面積当りのカシミール力
を求めるには
を微分すればよい。
よって
= -\frac{\partial }{\partial a}\: E_{\mathrm{casimir}}^{0}\left ( a \right )= -\frac{\pi ^{2}}{480}\: \frac{1}{a^{4}})
が計算できた。
----------------------------
= -\frac{1}{\left ( 4\pi \right ) ^{\frac{d+1}{2}}}\:\Gamma \left ( \frac{d+1}{2} \right )\: \zeta\left ( d+1 \right )\frac{1}{ a ^{d} })
となるので、d = 3 を代入すると
= -\frac{1}{\left ( 4\pi \right ) ^{2}}\:\Gamma \left ( 2 \right )\: \zeta\left ( 4 \right )\frac{1}{ a ^{3} }= -\frac{\pi ^{4}}{16\pi ^{2}\cdot 90}\frac{1}{a^{3}}= -\frac{\pi ^{2}}{3\cdot 480}\frac{1}{a^{3}})
で、[引用⑮]の内容と合致するのですが、これは、「Casimir効果の計算_(2)」をもう少しくだいて再掲 とか、「場の量子論におけるカシミール効果」 で示した結果
= -\frac{\pi ^{2}}{3\cdot 780}\frac{1}{a^{3}})
とは丁度半分です。私の計算では半分だと言っていましたが、それは辻褄が合っているので、その所為ではないでしょう。
多分、「カシミール効果とゼータ関数(1)」「カシミール効果とゼータ関数(2)」の内容に物理的な見落としがあるのではないか?と考えています。今は良く解らないですけどね。。
[引用⑭]--------------------
さらにリーマンゼータ ζ(s) の積分表示
を利用し、ガンマ関数の倍数公式を用いると、カシミールエネルギーは結局
となる。
以上ではあらかじめ、プラナの和公式を用い Ecasimir(a) の値を取り出したが、その際に行った無限大の繰り込みは ζ(-d) の値を s ←→ 1-s の関数等式を用いて ζ(d+1) から求めるのに相当する。
----------------------------
まず、前記事で求めた
の右辺の積分をリーマンゼータ ζ(s) の積分表示の積分部分に合わせることを考えます。
から、
となります。したがって、
です。さらに、「ガンマ関数の倍数公式」とは "Gamma Function" の(50)式
を使うと、
なので、
となりますが、[引用⑭]の式とは微妙に異なります。以前から言っているように、私の計算では数セミの表現の半分になるので、この点を配慮すると、
と同じになります。ということで、メデタシ・メデタシということになるんですが。。
[引用⑮]--------------------
上の表示から、単位面積当りのカシミールエネルギー
たとえば3次元(d = 3)の場合には、ζ(4) = π4/90 だから
である。
したがって、単位面積当りのカシミール力
よって
が計算できた。
----------------------------
となるので、d = 3 を代入すると
で、[引用⑮]の内容と合致するのですが、これは、「Casimir効果の計算_(2)」をもう少しくだいて再掲 とか、「場の量子論におけるカシミール効果」 で示した結果
とは丁度半分です。私の計算では半分だと言っていましたが、それは辻褄が合っているので、その所為ではないでしょう。
多分、「カシミール効果とゼータ関数(1)」「カシミール効果とゼータ関数(2)」の内容に物理的な見落としがあるのではないか?と考えています。今は良く解らないですけどね。。
この記事へのコメント