重力と慣性力(1)

これは重力質量と慣性質量が何故比例(等しいと言ってもよいが)するか?ということと、局所慣性系の話と、等価原理の話です。
あるブログで重力も慣性力(見かけの力)であるかどうか?という議論がなされているようです。それに対して、こちらで反論しようとか、問題提起しようとかの意図はありません。いろいろな考え方があっても良いし、議論する中で正しい結論に導かれればよいと思っています。
ここは自分の考えを整理するために自分に向けて書いている積りです。

まず、下図のような等加速度αで上昇するエレベータを考えます。

画像



地上の系をSとして、座標は(T,X,Y,Z)で表し、エレベータ内の系をS'として、座標は(t,x,y,z)で表すことにします。
よって、条件からSから見ているとエレベータの床は Z 方向に



で運動しています。
非相対論的、つまり Newton 力学として考えると、



として良いでしょう。
さて、上図から、



であり、T = t について2度微分すると、



となるでしょう。
いっぽう、S 系においては、地球の重力により、



なので、これを上式に代入すると、



となります。これに mI を掛けると、



で、これがS'系における自由落下の運動方程式になります。
ここで、第2項 が仮想的な力、慣性力となります。
ところで、これはエレベータの中ではすべての物体が  という共通の加速度で床に向かって落ちていくということを示しています。
またエレベータの中で静止しているものはすべて だけの重さを持つように感じることになります。すべての物体について同じ値であることが重要。

つまり、エレベータが動き出したとき、内部に居る人には、地球に対してαの加速を受けているのか、地球が突然重くなったのか、気が付かないということになります。
言いかえると、「真の重力」と「見かけの力」というのは区別がつかないということです。

と、ここまでは、藤井保憲「時空と重力」産業図書 P57~59 を参考にして少しアレンジした話です。

それで、ここまででは、重力と慣性力とは同じもので、重力質量と慣性質量は同じものと言っても良いということになりますね。
「重力質量=慣性質量」には説得力がありますが、重力=慣性力というのは言い過ぎの感があります。それは今後の記事で明らかにして行きましょう。

今日はこの辺で。。



ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

karaokegurui
2012年03月01日 00:26
続きの記事を予測すると、
局所慣性系だから以上の結論が導かれるのであって、「局所」を取り除くと結論が違ってくる。
エレベータを大きくして図の下の地表面を丸く描くと、重力の二次の項の効果である潮汐力が現われて、やっぱり「重力=慣性力というのは言い過ぎ」でしたね、
ということになるのでは?
T_NAKA
2012年03月01日 14:20
2/29 に続きの記事を書いてしまっているので、非常にコメントしづらいです。。
>重力の二次の項の効果である潮汐力
というような言葉は使わずに感覚的に分かるような説明をした積りです。
こういう言葉がスンナリ受け入れられる人には、説明する必要がないですから。。
karaokegurui
2012年03月01日 22:49
すでに新しい記事が書かれているのに気がつかなくて、間の抜けたコメントをしてしまったようですね。
すいません。

この記事へのトラックバック