運動量演算子で高次モーメントを計算できるか?

「高次モーメントを考える」を考えるという記事で、Maximaで計算した値は誤りで、4次以上の偶数では発散するようです。これは、グラフを描いてみるとθ→±∞とすると、振幅がじょじょに大きくなる正値の振動が見えてきて発散するようですね。
TOSHIさんのブログ記事 http://maldoror-ducasse.cocolog-nifty.com/blog/2008/08/post_a09c.html で明確に計算されてまして、私もムキなって申し訳ありませんでした。
さて、folomyでは続きがありまして、甘泉法師さんから次のような質問があります。これについて、検討してみました。

「そうするとこのスレッドの冒頭発言のように、高次モーメントを座標表示により 
∫ψ* (-i hbar ∂/∂x)^2n ψ dx 
で計算した結果もこれと同じになる、と考えるのですが、いかがでしょうか。」

まず、

V(x)=0 0≦x≦d ; V(x)=∞ x<0, x>d

とすると、

ψn(x)={√(2/d)}sin{(nπ/d)x} (n=1,2,3,…)

を使いましょう。
積分範囲を 0→d として

∫ψn*ψndx=(2/d)∫sin2{(nπ/d)x}dx
=(1/d)∫[1-cos{(2nπ/d)x}]dx=(1/d)[x-{d/(2nπ)}sin{(2nπ/d)x}]d0=1

は当たり前なのですが、これから

∫sin2{(nπ/d)x}dx=d/2

というのを求めておきたかった訳です。

さて、

(1) 2階微分の場合

(-iħd/dx)2=-ħ2(d2/dx2) なので、

d2ψn/dx2=-{√(2/d)}(nπ/d)2sin{(nπ/d)x} より

∫ψn*(d2ψn/dx2)dx=ħ2(2/d)(nπ/d)2∫sin2{(nπ/d)x}dx=(nπħ/d)2

(2) 4階微分の場合

(-iħd/dx)44(d4/dx4) なので、

d4ψn/dx4={√(2/d)}(nπ/d)4sin{(nπ/d)x} より

∫ψn*(d4ψn/dx4)dx=ħ4(2/d)(nπ/d)4∫sin2{(nπ/d)x}dx=(nπħ/d)4

(3) 6階微分の場合

(-iħd/dx)6=-ħ6(d6/dx6) なので、

d6ψn/dx6=-{√(2/d)}(nπ/d)6sin{(nπ/d)x} より

∫ψn*(d6ψn/dx6)dx=ħ6(2/d)(nπ/d)6∫sin2{(nπ/d)x}dx=(nπħ/d)6

となり、m=1,2,3,… として、

μ2m=(nπħ/d)2m

となりました。これはMaximaで得た結果と同じです。
結論から言うと、 -iħd/dx という演算子で高次モーメントを計算することには問題があるということになりますね。

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この記事へのコメント

甘泉法師
2008年08月21日 08:21
T_NAKAさん 甘泉法師です。
井戸の中の三角関数の微分、井戸の外の0の微分これは容易に計算できて
>これはMaximaで得た結果と同じです。
しかし、井戸の境界、0と三角関数の接合するところの微分を考えていないので、
>結論から言うと、-iħd/dx という演算子で高次モーメントを計算すること
>には問題があるということになりますね。
には吟味が要ります。=甘泉法師=
T_NAKA
2008年08月21日 11:59
この記事はfolomy掲示板に書くには長すぎると思い、引用のために書いたもので、甘泉法師さんのお考えを貶めるために書いたものではないことをご配慮下さい。(そのような表現がありましたら、深謝いたします。)
したがって、当方はここのコメント欄で議論するつもりはありません。
同じ内容を、folomy掲示板に書かれていらっしゃるので、そちらで議論したいと思いますので、出来れば反論は掲示板のみにしていただければ幸いです。
明男
2008年08月21日 17:52
こんにちは。
混ぜ返すことになったら、申し訳ありませんが、腑に落ちないので、一言だけ。TOSHIさんの計算は分かりますし、私も同じような結果を得ましたが、無限(発散)部分を差し引いた結果が同じになるのはどうしても偶然とは思えません。やはり解析接続した表現で、なにかある気がしますね。ゼータ関数(値)との類似性も気になりますが、とても手に負えませんので、残念ながら諦めます。近頃、こればっかり(笑)。
T_NAKA
2008年08月22日 00:03
実は、私も内心は、解析接続か、超関数のようなものが隠れているんじゃないか?と思っているんです。
Maximaではなく、Mathematicaで何方か試していただけないか?と。。
甘泉法師
2008年08月25日 13:27
T_NAKAさん
>超関数のようなものが隠れているんじゃないか?
わたしも超関数が井戸境界に隠れていると考えております。=甘泉法師=
T_NAKA
2008年08月25日 15:36
意味が違うのですよ。p^で計算したものと合致するという意味で、内心はMaximaの計算は正しいと思っているのです。
つまり「発散する方がおかしい」という意味で、境界値の問題では無く、何か別の理由があると思っています。
kafuka
2008年09月10日 14:28
「発散する方がおかしい」
同意です。
発散するのは、x=±L/2 の点に対応するψ(p)の様相のせいだと思っています。
ψ(x)のxは、-L/2
T_NAKA
2008年09月10日 16:54
Maximaの計算はバグだとか、散々な言われ方をしているのですが、TOSHIさんとは異なるアプローチでフーリエ変換したものが発散しないのではないか?という気持ちがあるのです。Maximaはそんなにバカにしたものじゃないですよ。
kafuka
2008年09月10日 18:07
僕もMaximaの使い方を、勉強しようと思います。
Mathematicaは、何であんなに高いのでしょう。
で、
>ψn(x)={√(2/d)}sin{(nπ/d)x} (n=1,2,3,…)
>を使いましょう。
>積分範囲を 0→d として
としないで、ψ(x)=c{Cos(k0x)}S 
      (Sは|x|
kafuka
2008年09月10日 18:09
これに対して、TOSHI様がNo601で、
>壁の端に粒子が集中して特異であるような確率密度としても考えにくい特別なψを考える必要などないでしょう。
といっておられます。
その通りで、ψ(x)のxは、-L/2
kafuka
2008年09月10日 18:20
ブログを汚してすいません。
式に、変な間違いがありました。
ψ(x)=c{cos(k0x)}S 
 (Sは|x|≦L/2で1 外は0 k0L/2=π/2)
尚、発散する項は、x=±L/2 の点だけに関係するものです。
T_NAKA
2008年09月10日 23:33
う~ん、この話題は少し嫌気が来ているのですよ。何かを書くと例のお二人が現われて自説だけを述べて、私の記事を貶すだけですからね。あんた達の意見は聞きたくないと言ってやりたいのが本音です。

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