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zoom RSS 相対論的量子力学のお勉強(3-1)_粒子・反粒子

<<   作成日時 : 2016/09/01 00:01   >>

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粒子・反粒子の話題は実際のところ分かってないかも知れません。啓蒙本では「ディラックの海」という話になって、その後、反粒子が実在するということになります。「ディラックの海」ってあるの?ないの?っていうことがあまり論じられないで、つまり梯子を外された状態で話題が進行するのです。そこをこの本ではどう扱っているのか?気になるところですね。

まずは、中性粒子、あるいは電磁場がない場合の荷電粒子のエネルギーについて考えます。
 
において、 をハミルトニアンの固有ベクトル、 を固有値とすると、
  
と書けて
 
つまり
 
から
 
ということになります。
いっぽう、 の固有値を とすると
 
が得られます。
  に対応する固有ベクトル
  に対応する固有ベクトル
とします。つまり
 
  
です。


問題は2番目の方程式で表わされる状態で、エネルギーの測定値が「負」になります。
これが受け入れられない理由をこの本から引用しましょう。
[P128 から引用]------------------------------------------------------------------------------
(1)もしこのような粒子が存在するならば、因果律の破れを許すことになろう。たとえば、これらの粒子が地球から放出され、そして太陽によって吸収されたと想定しよう。そうすると、太陽がエネルギーを分け与えてくれる以前に、地球が暖かくなるということをみいだすはずである!
(2)負のエネルギーをもつ粒子と、正のエネルギーをもつ系(たとえば水素原子のような)との衝突において、エネルギーと運動量の保存則を破ることなく、負の粒子は、運動量を得ると同時に、原子にはエネルギーと運動量を与えることが可能になるであろう。このとき、実質的には何もないところから、エネルギーを際限なく得るという非物理的な可能性が実現されることになろう。
(3)経験的には、最低のエネルギーの状態、真空、が存在することがわかっている。それには、習慣上、ゼロエネルギーをもたせるよう定義している。もし、負のエネルギーの粒子が存在するならば、このような最低エネルギーの状態は存在しなくなるだろう。
---------------------------------------------------------------------------------------------
よく比較しながら、引用したので、多分この本の内容を正しく引用できていると思います。もし引用での誤りがありましたらご指摘願います。引用の内容自体がおかしいとクレームを書き込まれる方が過去にいらっしゃいましたが、それは筋違いでしょう。書いたご本人に言うべきで、私にクレームを言われても答えようがありません。
私自身がどうもこの内容は分からないところがあります。例えば(1)についてアナロジーで言えば、ドライアイスの塊が入っている袋から、ドライアイスを取り出せば、その袋の温度は徐々に上昇し、そのドライアイスを別の場所に置いたら、その周辺の温度は低下するでしょう。最後にドライアイスを置いた場所から、エネルギーが最初のドライアイスの袋に移動したわけじゃないですよね。まあアナロジーなので、適切ではないかも知れませんが。。

さて、話を戻すと、[引用]にあるような理由で の状態は受け入れられないけれど、相対論的量子力学で提示された解も単純に拒否できないというジレンマが生じます。
この解決のために、単位演算子の平方根 を導入します。
この演算子は
 @ とは交換
 A とは反交換
という性質があります。つまり、
 
 
 
ということです。

中性粒子、あるいは電磁場がない場合の荷電粒子の場合
 
なので、
 
から
 
となり、
 
つまり、
 
となります。つまり、 の固有ベクトルであり、同じの固有値 に対応する二つのベクトル が存在することになります。
通常、この二つの状態は異なる物理状態で、区別出来る物理実体をもつことになるので、 がある特定粒子に付随するならば、 はその粒子の反粒子に付随します。
(う〜ん、あっさりと「ディラックの海」に触れずに話が進みました。)

この後に電磁場にある荷電粒子について考えることになりますが、それは後記事に回します。

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コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
お久しぶりです。

MathJax の使用をやめたようですが、もし良かったらその理由を教えていただけないでしょうか? 数式画像入り文章のオンラインエディタ(↓)を作ったことと関連して、最近少し MathJax について調べ直しているもので…。

http://amonphys.web.fc2.com/amonte.html
あもん
2016/09/02 02:00
http://teenaka.at.webry.info/201604/article_24.html のコメントで、あもんさんからの「Google Chrome だとこのブログの MathJax が表示されないようです。IE11 だと表示されます。」というご報告を受けて、それ以後は MathJax を使うのを止めました。ブログだと原因を調べようににも分からない部分が多すぎて、確実に数式が表示できる方法に戻してしまった訳です。
T_NAKA
2016/09/02 06:48
そうでしたか。HTML は CANVAS なんてグラフィック機能も持っているのに、いまだ数式はサポートされていない。もし MathJax が HTML の機能に取り込まれれば、このような問題はなくなるんでしょうけど。結局、ホームページサービスやブログサービスでは、それらサービスのスクリプトと MathJax のスクリプトが干渉してしまうようです。大学や企業、あるいは EMAN さんのように独自にサーバーを持ってるなら、こんな干渉はないから、そりゃあ問題なく使えるでしょうが、無料サービスでは現状難しいといったところでしょうか。私が利用している FC2 では MathJax のスクリプトを丁寧に二分することで動くことが判明していますが、FC2 独自のスクリプトもあるので、あと1つでもスクリプトを追加すると正常に動作しなくなります。ぎりっぎりな感じで、誰もが確実に見れるかどうか微妙ですね。一応、報告まで。長文失礼しました。
あもん
2016/09/02 21:19

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