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zoom RSS Dirac 本での重力波について(2)

<<   作成日時 : 2016/02/16 00:01   >>

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前記事の最後で「ダランベールの方程式」ということを言ったのですが、どうも日本では「ダランベールの微分方程式」というほうが有名なので、混乱するかも知れません。まずはそこから調べてみたいと思います。

この Dirac 本の訳では「ダランベールの方程式」となっていて、d'Alembert's formula、つまり波動方程式の文脈で使用しています。日本では波動方程式の「ダランベールの解」という言い方が良く知られていて、「ダランベールの方程式」というとダランベールの微分方程式という文脈で使われています。この「ダランベールの微分方程式」は「ラグランジュの微分方程式(Lagrange's equation)」とも呼ばれていて、混乱してしまいます。

前記事の最後で
-----------------------------------------------------------
 

となり、各 \(g_{\rho \sigma }\) がダランベールの方程式を満たすことが分かります。
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と言いましたが、分かる人にはすぐ分かるでしょう。しかし、もう少し説明すると \(g_{\rho \sigma }\) を \(f\) で置き換え、ミンコフスキー時空(西海岸方式で \( g_{00}=1,g_{11}= g_{22}= g_{33}=-1,\mathrm{others}=0\))で考えると
 
とお馴染みの波動方程式が出てきますね。

さて、スカラー場 \(V\) に対するダランベールの方程式 \(\square V= 0\) の共変形(共変微分を考慮した形)は
 
であって、より分かりやすい形式では
 
と書かれます((22.1)式)。
[P89 の引用]---------------------------------------------------------------
 ところで、もし空間が平らで、しかもまっすぐな座標軸を使っているなら、各座標 \(x^{\lambda }\) は \(\square x^{\lambda }= 0\) をみたす。
 では、各座標 \(x^{\lambda }\) を (22.1) の \(V\) のところに入れてみたらどうであろう? \(x^{\lambda }\) は \(V\) とちがってスカラーではないから、それでテンソル方程式ができるわけではない。その方程式は、だから、特別な座標系でなりたつだけである。いいかえると、その方程式は座標系を制限する条件になる。
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例えば、まっすくな座標軸ミンコフスキー時空なら、
 
が成り立つのは当たり前ですね。

正直に(22.1)式に \(x^{\lambda }\) を入れると
 
であり、( )内の第1項は \(\square x^{\lambda }= 0\) なので
 
となります。ここで、\(x^{\lambda }_{,\alpha }= g_{\alpha }^{\lambda }\) とすべきなので
 
となります。
この条件を満たす座標を調和座標という訳です。
確かにクリストッフェル記号がゼロなら空間は曲がっていないといえますが、上の関係が成立していると「曲がった空間において直線座標にもっとも近い」と言えるのだろうか?という疑問があります。まあ感覚的にはそうかも知れないというは思いますが。。

これは、ダランベールの方程式が,平坦な時空における場合の \(\square V= g^{\mu \nu }V_{,\mu \nu }\) と同じに書けるように、「調和座標」なる特殊な座標系を選んだということらしいです。

今回は少し補足的な事柄を記事にしました。

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