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zoom RSS 『趣味で量子力学』を読了

<<   作成日時 : 2015/12/30 00:01   >>

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「趣味で量子力学」、12/27 にアマゾンから入手。在庫8冊となった時点で注文しました。現時点では「在庫あり」ステータスになっています。
一気に読了しましたので、ちょっと感想などを書いてみたいと思います。

まず、「あとがき」にあるように、いわゆる教科書のような総花的な記述ではなく、例えば「ブラ・ケット表示」や「固有値問題」「角運動量・スピン」「エンタングル」などはあまり触れられていません。
その代わり、テンポの良い記述で、最期まで読み通すことのできる本になっています。
私の場合、数式に拘る性格なので、これだけ式があると、なかなか進まないものなんですが、それもあまり気にならなかったです。
多分、普通なら省略してしまう式の変形なども丁寧に書いてあるので、そういうストレスが少ないのでしょう。

ユニークなのは、「第1章 ミクロの世界の謎」で、「原子の構造」まで説明してしまうところです。
普通なら第1章は「初期量子論」をお茶を濁し、水素原子の軌道はもっと後で扱うものですね。
確かに、周期律表の構造を的確に説明できるのは量子力学の勝利というか、美しいところです。
ただルジャンドル陪関数とか球面調和関数とか出てきて厄介なところでもあり、先に出してしまった方がサッパリするかも知れません。ちょっとしんどい部分なんですが。。

また、次の引用のようなことをしょっぱなに宣言してしまうのはとても良いことだと思います。
[2ページ 14行目から]---------------------------------------------------
さて、世の中では「物質は粒子でもあるし波でもある」と言われるわけだが、物質が粒子的な性質を持つことを本格的に説明するのは、量子力学をさらに発展させた「場の量子論」の役目である。この本で扱うような量子力学の範囲では「世の中みんな波だらけ!」と言いながら踊りだしたくなるような世界観が強調されることになるだろう。この辺りについてはもう少し言っておかなければなるまい。実はミクロの世界での粒子性の例として語られる現象は、量子力学の範囲内で説明できてしまう話も多いのである。つまり波の性質だけを使って説明できてしまうものが意外に多いということである。
-----------------------------------------------------------------------
こういうことを言ってもらうと、初学者は大変為になりますね。
光子の挙動をシュレディンガー方程式で解けると思っている方々がけっこう居られるようです。
(まあ調和振動子のシュレディンガー方程式の解を使うというのなら少しは分かりますが、、)
そういう意味では粒子性というのはちょっと罪が重いかも知れません。
なので、量子力学は波だけで考えるのは賛成ですね。

「第2章 複素数の性質」で複素数から始めたのは少し冗長な気がしましたが、最近は高校で「複素平面」も教えないので、仕方ないかとも思っています。

さて、もう量子力学は知っているという人も、知識を整理するためにも、お読みになることをお勧めします。


[目次]------------------------------------------------------

第1章 ミクロの世界の謎

 1.1 知っていてほしい大事なこと
 1.2 光は波なのに粒々だった!?
 1.3 ド・ブロイ波
 1.4 シュレーディンガー方程式
 1.5 変数分離法
 1.6 重ね合わせの原理
 1.7 3次元への拡張
 1.8 原子の構造
 1.9 ボーア半径
 1.10 電子は粒々なのに波でいいのか

第2章 複素数の性質

 2.1 虚数は存在しない数か
 2.2 加減乗除
 2.3 複素平面
 2.4 積の図形的意味
 2.5 複素共役
 2.6 テイラー展開
 2.7 オイラーの公式
 2.8 複素数の極形式表示
 2.9 波動関数の位相の変化

第3章 理解を助ける計算例

 3.1 なぜ単純な問題を解くのか
 3.2 井戸型ポテンシャル
 3.3 無限に深い井戸型ポテンシャル
 3.4 壁に向かう粒子
 3.5 トンネル効果
 3.6 調和振動子

第4章 確率解釈

 4.1 波動関数の規格化
 4.2 3次元での存在確率
 4.3 波の干渉
 4.4 期待値
 4.5 エーレンフェストの定理
 4.6 エルミート演算子
 4.7 不確定性原理
 4.8 観測についての誤解
 4.9 確率流密度

第5章 フーリエ解析

 5.1 実フーリエ級数
 5.2 周期を変えてみる
 5.3 波で粒子を作る
 5.4 複素フーリエ級数
 5.5 フーリエ変換
 5.6 不確定性原理、再び
 5.7 運動量の期待値の意味
 5.8 偶関数と奇関数
 5.9 波束の崩壊

第6章 多粒子系

 6.1 波動関数は現実の波ではなさそうだ
 6.2 もう少し正確な原子の計算
 6.3 ボソンとフェルミオン
 6.4 統計性とスピン
 6.5 エニオン

第7章 解釈論争

 7.1 粒子性の正体
 7.2 シュレーディンガーの猫
 7.3 創作小話
 7.4 ウィグナーの友人
 7.5 多世界解釈

付録
 A. 位相速度と群速度
 B. 偏微分の座標変換
 C. ガウス積分
 D. ガウス分布のフーリエ変換
あとがき
参考図書
索引

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