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zoom RSS 「反変・共変ベクトル」って言い方は誤解しやすいよね。。

<<   作成日時 : 2012/10/07 00:01   >>

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「反変・共変ベクトル」という言うとそういうベクトルが単独で存在するように思えてしまいます。そうなんでしょうか?そこを少し探ってみましょう。

[引用@ 内村龍雄「相対性理論」岩波書店 p48]===================================================
 いま4個の成分を持つ物理量の 系を基準にした場合のそれぞれの成分を とする。
 これらの間に の間の関係式に似た



という関係が成立するとき、この量を反変ベクトル(contravariant vector)という。
 また、 はベクトルの反変成分とよばれる。
========================================================================================

これを読むと「反変ベクトル」というベクトルが単独で存在するような気がしてしまいます。
別な本を引用してみましょう。

[引用A 日置善郎「場の量子論」吉岡書店 p141]==================================================
  は基本単位ベクトルと同じように(”共に”)変換されるので共変成分と呼ばれ、 はそれと反対の変換を受けるので反変成分と呼ばれる訳である。
========================================================================================

この本には「反変ベクトル」という言葉は出てきません。

ただし という表現が

・  という4元ベクトルを表している

・  の中の1つの成分を仮に表している

という2つの立場があって、どうもハッキリしませんね。

[引用B ランダウ、リフシッツ「場の古典論」東京図書 p141]==========================================
 座標変換に際して座標の微分と同じように変換される4個の量 をまとめて反変4元ベクトルとよぶ:


========================================================================================
この有名な本の記述も「反変ベクトル」というベクトルが単独で存在するように思われますね。

もう少し違った見方がないか?と思い、次の記述を見つけてきました。

[引用C 須藤靖「一般相対論入門」日本評論社 p30]===============================================
 通常の教科書では、これらの事情を省略して、「 の変換則に従う量 を、反変ベクトルと呼ぶ(定義する)」といった書き方をしていることが多い。
 しかし、本来の相対論的マインドに沿って言うならば、「物理量は座標系によらない概念、したがって、座標変換に対して不変である」と言いたいところである。
  物理量そのものは座標に依らず、単にその成分が座標系によって変換するという考え方はごく自然である(と思う)。
 通常の教科書は、この解釈ではない(少なくとも自明ではない)。
 もちろん、これはものの言い方だけで実質的には何も変わらないので良いのだ、と考える人もいるかもしれない。
 しかし、上述の考え方を一貫して前面に Misner,Thorne and Wheeler (1972) の教科書である(Gravitation)。 
 つまり、ベクトルで表される物理量はあくまで不変であるが、それを成分で表示した場合には、基底ベクトル の選び方に対応して、成分である は変化する。     
========================================================================================

この引用ではベクトルA は座標系によらない存在で、それが基底ベクトルの取り方次第で、色々な成分をとることになるということらしいです。
穿ったことを言えば反変成分でベクトルを表現した場合にそれを「反変ベクトル」と言い、共変成分でベクトルを表現した場合にそれを「共変ベクトル」と言うのではないでしょうか?
つまり、「反変ベクトル」や「共変ベクトル」が単独で存在するのではなく、存在するのはベクトルだけです。その表現の仕方で「反変ベクトル」や「共変ベクトル」と呼ばれると思っています。
中々、そういうことをストレートに言い切ってくれる教科書がないので、ここで取り上げてみました。

さて、



なので、「 は反変ベクトル 」ということなんですが、「その表現の仕方で反変ベクトルや共変ベクトルと呼ばれる」ということと矛盾しているように思えます。
私なりの解釈はあるんですが、それを押し付ける積もりはありませんので、この辺にしておきたいと思います。



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