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zoom RSS 重力と慣性力(2)

<<   作成日時 : 2012/02/29 00:01   >>

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ここでは「等価原理」と「一般相対性」について考えてみます。前記事では真の重力と、座標変換による見かけの慣性力とを区別することは原理的に不可能であることを述べました。したがってこの2種類の力は全く同等と言わなくてはならないでしょう。

Einstein は、このことを「等価原理」と呼び、重力の際立った特徴と見なしました。

この原理によれば重力の強さは座標変換によってどんな値にすることもできるということになります。前記事の例によれば、 にしたのですが、



と選べば



とすることが出来、「無重力状態」を作りだすことが出来ます。
前記事の例で言うと、エレベータをかなり高度で停止してからロープを切って、地球に向かって自由落下させれば良いでしょう。
S'系では上の条件が成立するため、いわゆる「無重力状態」となります。
つまり、エレベータとその中にある物体は同じ速度(加速度)で落下するので、S'系の観測者から見ると物体は落ちていかないように見えるという訳です。


さて、真の重力と慣性力とが原理的に同じものであるとすると、慣性系と非慣性系との差はありえないということになりますね。
そうすると、慣性系に限らず、あらゆる座標系が同等であり、それらの間に相対性が成り立たねばならないということになるでしょう。これこそ Einstein が目指した一般相対性なのです。それを原理の形にすると、

(T)一般相対性原理:力学の(そしてたぶん物理学すべての)基本法則に関しすべての座標系は同等である。
(U)等価原理:適当な座標変換によって重力の大きさをどのようにも変えることができる。
          特に無重力状態を作り出すことができる。

ここまでが、藤井保憲「時空と重力」産業図書 P60〜61 を参考にして少しアレンジした話です。
 
「特殊相対論と一般相対論の概念構成の比較」http://teenaka.at.webry.info/201110/article_21.html の一般相対論の指導原理2において
「等価原理(重力を受けている系と加速度系は局所的には区別できない)」とあり、上の(U)と微妙に異なることに注意願います。

この「局所的」というのが問題のところですね。

これからは、適当な座標変換によって無重力状態を作り出すというところにだけに注目します。
"慣性系"という言葉の真の意味では正しくないのですが、ここでは無重力状態になった系を「慣性系」と呼びましょう(一番単純化された「慣性系」という意味)。

一番近しい重力源であるところの我が地球を考えたとき、長い床を持つ(空中に停止している)エレベータの中で、一様な重力となるかというと次の図のように場所によって強さや方向が異なってきます。

画像


この状態でロープを切って、地球に向かって自由落下させたとき、エレベータ内の重力がすべて消えて全領域で無重力となるでしょうか?
答えは「否」で、非常に狭い領域しか無重力を実現できないと推測されます。
これが「局所的」ということです。

つまり、「重力は局所的に消す」ことが出来て、この無重力の系を「局所慣性系」といいます。
なので、大域的に考えて、重力と慣性力を区別が付かないというのは、ちょっと言い過ぎじゃあないか?というのが私の立場です。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
>なので、大域的に考えて、重力と慣性力を区別が付かないというのは、ちょっと言い過ぎじゃあないか?というのが私の立場です。

この文章は、ちょっと遠慮しすぎじゃあないか?というのが私の感想ですが、おそらく某所でのやり取りを念頭に置いておられるのでしょうね。
以前にも書きましたが、ヤフー科学板にも等価原理を錦の御旗にして、重力は自由落下により完全に消し去ることができると主張するトンデモさんがいます。
結構ありふれた誤解なのでしょう。
数式が分からないのだとすると、理解の手段としては図解しかないでしょうが、これだけ分かりやすい図を示しても納得してくれるかどうか疑問です。
あ、私の知っているトンデモさんのことです(^_^
karaokegurui
2012/03/01 23:15
今度、大域的にも慣性力と区別のつかない重力モデルの記事を書いてみます。モデルのためのモデルで実現できないものなのですが、そういう在りえない状況でないと、大域的にも慣性力と区別のつかないということが起こらないということからも説明出来ると考えています。
T_NAKA
2012/03/02 07:23

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