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zoom RSS GPSの相対論的補正をもう一度検討する(4)

<<   作成日時 : 2011/11/15 00:01   >>

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では、前記事で求めた式の数値的評価を検討しましょう。
Wikipedia「一般相対性理論」によると、「この相対論的補正をせずに1日放置すると位置情報が約11 kmもずれてしまうほどの時刻差になる」ということなので、これに近い値となることが期待されます。
また、「GPSの相対論的補正」http://maya.phys.kyushu-u.ac.jp/~knomura/museum/GPS/node11.html というところも参考になります。

まず、検討すべき式を書いておきましょう。

(A) 「もうひとつの一般相対論入門」(須藤靖、日本評論社)の式を簡略化したもの

 

(B)  「時空の力学 ― 一般相対論の物理(岩波講座 物理の世界:素粒子と時空4)」(細谷暁夫著、岩波書店)の式(上のケースと比較できるように少し変形している)


 
見比べると、a/2 が共通なので、





を使って、





としましょう。
 
さて数値をおさえておくと、







となります。


よって、(A') の右辺は



で、これと「GPSの相対論的補正」http://maya.phys.kyushu-u.ac.jp/~knomura/museum/GPS/node11.html とでは数値的に合いません。
また1日 = 24×3.6×103 = 8.64×104 秒 なので、



だけ1日当たりズレるわけで、位置情報としての電波の走行距離に換算すると、



ズレることになります。これは Wikipedia の記述内容とも合致しません。


一方、(B') の右辺は



で、これと「GPSの相対論的補正」http://maya.phys.kyushu-u.ac.jp/~knomura/museum/GPS/node11.html は数値的に合致します。
さらに1日当たりズレは



で、同じく位置情報としての電波の走行距離に換算すると、



なので、Wikipedia の「この相対論的補正をせずに1日放置すると位置情報が約11 kmもずれてしまうほどの時刻差になる」という記述にもうまく合致します。


したがって、「GPS の相対論的補正」という項目に関しては

(A) 「もうひとつの一般相対論入門」(須藤靖、日本評論社)
(B) 「時空の力学 ― 一般相対論の物理(岩波講座 物理の世界:素粒子と時空4)」(細谷暁夫著、岩波書店)

の2通りに対して (B) に軍配が上がるということになります。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
こんばんは。
私も以前計算したことがあります。
何を参考にしたかは覚えていないですが重力場の影響と特殊相対性理論によるずれをあわせて概ね11.48kmという値が出ました。
なのでT_NAKAさんの11.6kmと(偶然にも)ほぼ同じです。
cat_falcon
2011/11/15 00:39
cat_falcon さん、コメントありがとうございます。
どうも、本の記述が誤っているようなので、著者に伝えてもらうように出版社にメールしてしました。 
一応、出版社からは了解の返事がきましたので、少し様子を見ようと思います。
T_NAKA
2011/11/15 04:46

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