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zoom RSS 「ロバチェフスキー空間を旋りて」をめぐりて(1)

<<   作成日時 : 2011/07/31 00:01   >>

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表題の「ロバチェフスキー空間を旋りて」というのは稲垣足穂の有名なエッセイで、現在なら「宇宙論入門」(河出文庫)に収録されていて読むことが可能です。
この中で、次のような記述があり、何処だろうか?と気になっていました。

[引用]================================
 麻布飯倉一丁目から赤羽橋まで行く電車道の向って右側に、鼻眼鏡の修繕や製作についての特別の便宜をはかってくれる眼鏡屋さんがあった。私は年に二度はそこへ出かけていたが、なるほど、虎の門から電車が登り切った所は、坂上であって同時に坂下であった。明石に帰省していた時、私は竹内時男博士の物理学夜話で、「飯倉一丁目の路面はマイナスの符号が付いている面の模型である」と知らされていたのである。
======================================

このエッセイの初出は昭和39年となっています。当時は路面電車(つまり都電)が麻布付近に通っていたのだろうと思いますが、ご存じのとおり今はありません。
「麻布の都電_昭和30年代後半の都電路線・停留所池図」
http://www.google.co.jp/maps/ms?ie=UTF8&oe=UTF8&msa=0&msid=107021032418468200489.00044a6c62410a1edc9b4
を見てみたのですが、「虎の門から電車が登り切った所」というのが特定できませんでした。

ここは、「ロバチェフスキー空間」と「坂上であって同時に坂下」ということで考えてみることにしました。
「坂上であって同時に坂下」というのは2次元ロバチェフスキー空間=鞍モデルということでしょう。
次の図では上から、・リーマン空間・ロバチェフスキー空間・ユークリッド空間 なので、真ん中のような地形になっているということだと思います。

画像


別の表現では、

[引用]================================
 ゴヤの絵にあるマヤ夫人のように、ソファに寝そべっている裸女の脇腹はどうであろう?ここは優美なロバチェフスキー面が織出されている。何故なら、その脇腹のなだらかな起伏の上に一点をきめて、これを中心にぐるっとコンパスを廻すならば、円周率を上廻りする円が描ける筈であるからだ。
======================================

そこで、「東京地形地図」http://www.gridscapes.net/ で飯倉付近の地形を調べて当たりを付けてみました。
具体的には楕円で囲んだ部分が件の場所ではないかと考えたのです。

画像


分かり難いのでストリート・ビューも見てみましょう。

画像


道なりに見た場合、横断歩道の少し先が坂上になっていて、左から交差している道からは坂下になっているよう見えます。
しかし、どうも文面との整合が取れない気がしており、単なる独断という可能性が大きいですね。どなたか正確な場所をお教えいただくと幸いです。

さて、最新の WMAP 衛星の測定結果では、宇宙の空間曲率 K はほぼ平坦であり、アインシュタインが想定していたようなリーマン空間ではなく、ユークリッド空間に近いものだとのことです。「開いた空間」という意味ではこのロバチェフスキー空間に近いとも言えますね。
そういう意味でこのエッセイのことを思い出して、この記事を書いてみましたが、これから足穂のことを少しづつ書いていきたいと思います。


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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
いや〜、T_NAKAさんの探究心にはいつも驚きます。学者に向いていると思いますね。。。
ストリートヴューを見る限りこの土地は斜面の途中の緩やかな丘、という感じでしょうかね。

私的には宇宙はロバチェフスキー・ボヤイの幾何学をしてるといいなぁ〜、とおもいます。その方がただ面白いから、というだけですが、膨張する宇宙にぴったりの幾何学ですからね。暗黒物質も膨張して広がった空間を無理に平坦として見た結果だったりして。。。ぬぁんちゃって。
はっしー帝國
2011/07/31 11:58
はっしー帝國さん、コメントありがとうございます。
最近、パソコンを触る時間が制限されているので、返事が遅れまして、すみません。まあ、探究心というかグーグル・マップの性能が良いから簡単に調べられたということですね。本当なら「麻布飯倉一丁目から赤羽橋まで行く電車道」というのを当時の地図を調べまくって特定しないといけないでしょう。そういうことには根性が無いので、本職の学者はできないでしょうね。。
T_NAKA
2011/08/01 16:19

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