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zoom RSS 一般的な速度の加法則(2)_振動子の思考実験

<<   作成日時 : 2006/07/03 13:41   >>

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列車内に二つの壁を作って、その間をボールが一定速度で往復しているところを考えてみましょう。
行きも帰りも向きは反対ですが、ボールの速さは一定とします。
「ボールの往復運動を振動子として考える」ことですね。
この壁の間隔は一定ですから、(列車内で見る限り)行きの時間も帰りの時間も同じなので、
「往き時間−戻り時間=0」 
です。
これを、列車が一定速度で動いていると考えて、地上静止系で見ると必ずしも「往き時間−戻り時間=0」 ということが言えないと考えます。

そうすると、「往き時間−戻り時間」はボールの(列車に対する)速さとどのような関係になるのでしょうか?

驚いたことに、「往き時間−戻り時間」は「ボールの(列車に対する)速さ」とは無関係ということになるようです。

(1)振動子の「往き時間−戻り時間」が振動子の速度に寄らないのことの証明

列車の座標系で、速度が奇数の比になっている2つの振動子を考えます。
例として5:7の場合を考えてみます。

画像


(A)の場合の振動子の速度は
(B)の場合の振動子の速度は
ですから、 になっているのが分かると思います。

これを列車の外から観測すると、

画像



のように見えます。

(A)について考えます。
時刻 の間に、2往復半して列車の先端に振動子が来ます。
その後、時刻 の間に、2往復半して列車の後端に振動子が来ます。
振動子Aが先端 → 後端まで行くのに要する時間を「A往き時間」
振動子Aが後端 → 先端まで行くのに要する時間を「A戻り時間」
とすると
A往き時間+A戻り時間+A往き時間+A戻り時間+A往き時間=3×A往き時間+2×A戻り時間
A戻り時間+A往き時間+A戻り時間+A往き時間+A戻り時間=2×A往き時間+3×A戻り時間
となります。
よって、
A往き時間ーA戻り時間         @式
となります。

同様に(B)について考えます。
時刻 の間に、3往復半して列車の先端に振動子が来ます。
その後、時刻 の間に、3往復半して列車の後端に振動子が来ます。
振動子Bが先端 → 後端まで行くのに要する時間を「B往き時間」
振動子Bが後端 → 先端まで行くのに要する時間を「B戻り時間」
とすると
B往き時間+B戻り時間+B往き時間+B戻り時間+B往き時間+B戻り時間+B往き時間
   =4×B往き時間+3×B戻り時間
B戻り時間+B往き時間+B戻り時間+B往き時間+B戻り時間+B往き時間+B戻り時間
   =3×B往き時間+4×B戻り時間
となります。
よって、
B往き時間ーB戻り時間         A式
となります。

@式とA式を比較すると、左辺がイコールなので、

A往き時間−A戻り時間= B往き時間−B戻り時間 

が成り立つことになります。
振動子の速度比が奇数比ならば、列車の先端で同時に2つの振動子が出会うことと、列車の後端で同時に2つの振動子が出会うことは必ず発生するため、これまでの議論から、必ず

A往き時間−A戻り時間= B往き時間−B戻り時間 

となります。

マーミンは『マーミン 相対論 - 新しい発想で学ぶ』(町田茂=訳、丸善)で、
この条件(振り子の速度比が奇数比)が成り立たなくても一般的に『「往き時間−戻り時間」は振動子の速度に関係無く一定』であると、言っています。

ただし、列車の速度には関係します。例えば、列車の速度=0 ならば列車の座標系と同じですから、

往き時間=戻り時間 

となり、

往き時間−戻り時間=0 

です。

(2)計算編

地上から見た : 往き時間 、  : 戻り時間 、 : 列車の速度 とすると、

 よって 
 よって 

したがって、



ここで(1)項より左辺は に寄らないことになります。また、 に寄らないことは自明です。
そうすると、[ ]内も当然 に寄らず のみの関数となるはずですね。
これを、 とすると、


  

となり、最終的に

      B式

となります。

ここで、 の値について考えましょう。定義により、



また、 がマクローリン展開できたとすると、



となりますが、 なので



となります。これからB式の左辺は



となり、  とすると



で、(定数)となります。

次に右辺の(中の)



部分に注目します。
とすると、 と考えられます。さらに とすると、  となります。

つまり、

画像



こう考えると、



  
  
なので、B式において、 の極限を考えると、

右辺

となります。
ここで前回の記事の結論



を使うと、 なので、



となり、

            C式

が成り立つことになります。

(この項つづく)

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