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zoom RSS Dirac「一般相対性理論」を読む_(9)

<<   作成日時 : 2006/01/24 13:15   >>

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「6.平行移動」の節の続きです。
さて、やっとこの節の初めの議論に戻ります。
「点PにあるベクトルAμを点Qに平行移動することを考えます。しかし、空間が曲がっているために、Aμはそのままじゃありません。」
このベクトルAμをベクトルAnに変え、点Pをx、点Qをx+dxに変えます。
具体的には、
「xにあるベクトルAnをx+dxに平行移動することを考えます。しかし、空間が曲がっているために、Anはそのままじゃありません。」
となります。この意味は、ベクトルAnをN次元空間内で、曲がった物理空間に沿って平行移動すると、その曲面内には収まらないということです。(図を参照のこと)

画像


しかし、それを曲面上への射影することで曲面内に収まるベクトルをつくることが出来ます。

射影するというのは、ベクトルを接線成分と法線成分とに分けるということです。すなわち、

An=An接線+An法線    (6.5)

ということです。
さらに An接線 をx座標系に引き直すことが出来ます。式(6.4)によると、y,nμ によって、N次元空間⇔x座標系 の変換が出来ることになります。
この引き直したベクトルを Kμ と書けば、

An接線=Kμy,nμ(x+dx)   (6.6)

ですね。(係数y,nμは新しい点x+dxのもの)

ここで、An法線 というのはN次元空間で、An接線と直交しています。(図を参照のこと)
直交する2つのベクトルの内積はゼロになるはずですね。よって、

An接線An法線=0   (直交の条件式@)

です。(接線ベクトルの添え字が下付きであることに注意して下さい)
An接線 はN次元空間で表したものですから、添え字を下げるためにはN次元空間の計量テンソル hnm を使うことになります。

hnmAm接線=An接線

これを式(6.6)に代入すると、

An接線=hnmAm接線=hnmKμy,mμ(x+dx)=Kμhnmy,mμ(x+dx)

となります。(Kμは曲がった空間の表示なのでhnmとは作用せずに、y,mμ(x+dx)に作用することに注意して下さい)

さて、以前にhnmは定数なので、

yn,μ=hnmy,mμ

であることを示しました。そこで、前式は

An接線=Kμyn,μ(x+dx)

となることが分かります。添え字をμからνに代えて、

An接線=Kνyn,ν(x+dx)

これを(直交の条件式@)に入れますと、

An法線Kνyn,ν(x+dx)=0

となります。ここで、An法線 と Kν は直接作用しませんから、

KνAn法線yn,ν(x+dx)=0

となり、結局

An法線yn,ν(x+dx)=0   (直交の条件式A)  

という条件になります。

さて、式(6.5)に yn,ν(x+dx) をかけると、

Anyn,ν(x+dx)=An接線yn,ν(x+dx)+An法線yn,ν(x+dx)=Kμy,nμ(x+dx)yn,ν(x+dx)+0=Kμy,nμ(x+dx)yn,ν(x+dx)

となります。(6.6)と(直交の条件式A)を使いました。
さらに、式(6.3) gμν=y,nμyn,ν から、

Anyn,ν(x+dx)=Kμy,nμ(x+dx)yn,ν(x+dx)=Kμgμν(x+dx)=Kν(x+dx)

となり、左辺と右辺を入れ替えると、

Kν(x+dx)=Anyn,ν(x+dx)

となりました。
ここで、右辺の yn,ν(x+dx) を一次のオーダで展開します。

f(x+凅)=f(x)+f'(x)凅+(1/2)f''(x)(凅)2+・・・・

であることを思い出して下さい。一次のオーダということは

f(x+凅)=f(x)+f'(x)凅

で近似するということです。したがって、

yn,ν(x+dx)=yn,ν(x)+yn,ν,σdxσ

です。よって、

Kν(x+dx)=An[yn,ν(x)+yn,ν,σdxσ]

ですが、式(6.4)でAnを曲面の座標系で引き直すと、

Kν(x+dx)=Aμy,nμ[yn,ν(x)+yn,ν,σdxσ]=Aμy,nμyn,ν(x)+Aμy,nμyn,ν,σdxσ
=gμνAμ+Aμy,nμyn,ν,σdxσ=Aν+Aμy,nμyn,ν,σdxσ

となります。式(6.3)を使いました。
結果を再度書くと、
 
Kν(x+dx)=Aν+Aμy,nμyn,ν,σdxσ

ですが、この Kν が Aν を点 x+dx まで平行移動した結果となります。そこで、

Kν-Aν=dAν

とおけば、この dAν が平行移動による Aν の変化ということになり、こうして

dAν=Aμy,nμyn,ν,σdxσ   (6.7)

という最終結果が得られました。

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